2011-04-22 Fri

『知財立県』
-埼玉県発、特許を活かす-
野口満著,工業調査会,2008年9月
★★★★
<目次>
1.特許流通と技術移転
2.埼玉県特許流通活動からのメッセージ
3.知財立県づくり
4.知財活用に成功した
エクセレント・アイピー・カンパニー
5.「ホンダの教え」に学ぶ
6.知的財産は人的財産
地方出身ゆえか、ついタイトルに惹かれて買ってしまいましたよ。
本書はホンダで顕職を歴任した著者が、定年後に知財アドバイザーとして埼玉で活動した記録。
2002年の知財立国政策の一環として特許流通事業というものが開始され、著者は中堅企業の多い埼玉にて活躍をされました。
ゼロから埼玉の特許流通事業を立ち上げ、地道に足を使っての活動はなかなか真似できるものじゃないです。知財ってやっぱ泥臭いなーと思いつつ、人と人の繋がりがまた醍醐味であることも思わせてくれた一冊です。
(知的財産てなんだ? という方はこちらからどうぞ)

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2010-12-18 Sat
2010年は「3D元年」呼ばれた1年でした。去年12月の『アバター』公開を皮切りに『アリス・イン・ワンダーランド』など多くの3D映画が相次いで上映され、3D対応のTVやカメラも各社から上市されました。みなさんも立体的な一年を過ごされましたでしょうか。
ということで、3Dにちなんで1冊読んでみましたよ。

『3D世界規格を作れ!』
本田雅一著,小学館,2010年10月
★★★★
※PDFでのダウンロードはこちら
メディアに関しては新たな技術が立ち上がるたびに新たな規格が現れています。3Dもまた然りで、本書では3Dの規格策定を切り口に、企業とエンジニアを描きます。
池上彰は『そうだったのか! 現代史』で「出来事はその50年前までさかのぼればよくわかる」と述べていますが、本書もブルーレイまで続く標準化の歴史を紹介し、その上での3Dの位置付けを見事に分析しています。
(標準化関連のレビューはこちらをどうぞ。標準化ってなんだ?と言う方はこちらも)

関連するタグ Otoya 【一般書】 【経済産業】 本田雅一
2010-10-15 Fri
「コンピュータは、世界に5つあれば事足りる」(サン・マイクロシステムズ最高技術責任者 グレッグ=パパトボラス)

『クラウド・
コンピューティング』
西田宗千佳著,朝日新聞出版,2009年1月
★★★★
<目次>
1.(サービス化)ソフトがネットへ溶けていく
2.(ボーダレス化)「iPhone」の革命
3.(オンライン化)すべてがネット(雲)の向こうに
4.クラウド・コンピューティングという「現象」
5.クラウドの課題と未来
もうすっかりお馴染みになってしまった「クラウド」と言う言葉。
インターネットはかつての「検索のためのツール」を超えて、amazonのような「チャネル」となり、mixiなどの「コミュニケーションツール」となって、やがてコンテンツやアプリケーションを雨として降らせる「雲」になりました。
とか言ってみたり。
読んだのもしばらく前だし、驚異的な今さら感。でもせっかくだし感想です。
クラウドってよく聞くけど結局定義付けると何なのか?
本書では、「クラウドとは“現象”である」という仮説をもとに、現状のインターネットとコンピュータのあり方を解説してくれてます。特に新しい知見はなかったけど、「いま何が起こっているのか?」を改めて整理するのに役立つ一冊。

関連するタグ Otoya 【一般書】 【経済産業】 【未来学】 西田宗千佳
2010-08-19 Thu
標準化戦略の決定版!
藤野仁三・江藤学共著,白桃書房,2009年12月
★★★★
<目次>
1.標準の歴史
2.標準とビジネス
3.標準の技術的効果
4.標準の作られ方とその効用
5.標準の国際性
6.新しい標準と認証ビジネス
7.標準の法的リスク
8.主要国の標準化戦略
9.標準の企業戦略
10.標準化の事例
さて今回は、最近出た(と言っても半年以上経っちゃいましたが)標準化の本をご紹介。
標準とは、例えばネジのオス/メスの形を決めるなどして、みんなで同じ部品を使えるようにすること。技術開発や、ひいてはビジネスの普及戦略に欠かせません。
(詳しくは「標準ってなんだ?」もお読み下さい)
本書冒頭では、例えば日本における鉄砲の普及を例に、根来寺(鉄砲武装の傭兵集団"根来衆"の根拠地)と国友村(名砲"国友筒"を量産)での技術波及の様子を紹介したりと、歴史的経緯も参考におもしろく書いてくれています。
「標準化」の基礎と応用について本当にわかりやすく、しかも簡潔かつ網羅的に示されており、標準化の教科書として決定版になるのではと思います。

関連するタグ Otoya 【一般書】 【経済産業】 【標準化】 藤野仁三 江藤学
2010-03-20 Sat
技術革新は人に何をもたらすのか?
『極端な未来(経済・産業・科学編)』
ジェームズ・キャントン著,
椿正春訳,主婦の友社,2008年4月
★★★
<目次>
序.「極端な未来」とフューチャリストの仕事
1.イノベーション経済
2.未来の燃料
3.夢の長寿薬と人間の能力強化
4.地球温暖化の進行
5.トンデモ科学
前回から紹介している本書『極端な未来』について、今回は著者の予想する未来技術の側面からレビューしたいと思います。
果たしてガンダムは大地に立つのか??(ドキドキ、ドキドキ)

関連するタグ Otoya 【一般書】 【経済産業】 【未来学】 ジェームス・キャントン 極端な未来
2010-03-16 Tue
未来。人間のもっとも興味をかきたてるものの1つです。
H・G・ウェルズは特異に変質しながらも普遍性を失わない未来社会を描き、藤子不二夫は夢とロマンを、手塚治虫は壮大な輪廻を示してくれました。
今回紹介する『極端な未来』は、未来学者である著者が、実際に今後数十年で起こるだろう事象についてレポートしてくれています。
その内容は決して突飛なものではなく、現実に研究が進行し、あるいは危機が発生している事象です。
とはいえ未来の話。
テレビや飛行機がその登場の寸前まで実用を疑われたように、本書にかかれる内容はともすれば信じ難いものもあるでしょう。それでも、著者の示す「極端な」未来を、覗いてみる価値は十分にあると思います。

『極端な未来(経済・産業・科学編)』
ジェームズ・キャントン著,
椿正春訳,主婦の友社,2008年4月
★★★
<目次>
序.「極端な未来」とフューチャリストの仕事
1.イノベーション経済
2.未来の燃料
3.夢の長寿薬と人間の能力強化
4.地球温暖化の進行
5.トンデモ科学
なお、実際に未来に行く方法については『タイムマシンを作ろう!』をご参考下さい。

関連するタグ Otoya 【一般書】 【経済産業】 【未来学】 ジェームス・キャントン 極端な未来
2010-02-24 Wed
政治家よ、希望を語れ!
先行き不透明な時代に、押さえておきたい56の知恵
三橋貴明
TAC出版
2009年12月
★★★★
<目次>
1.「経済ニュースの裏」を読むための基礎知識
2.日本経済が抱える「本当の問題は金余り」
3.新世紀の景気対策
4.もう過去の公式は通用しない! 過渡期の日本の経済対策
5.意外と知らない金融の“常識”を知っておこう!
6.日本企業・再生への指標
7.GDPの構成要素である「私たち」
8.日本よ、世界同時不況の波をくぐりぬけろ!
◇経済は印象ではなく数値で語れ

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2010-01-30 Sat
焦土作戦によりクラウンジュエルを手放すか、それともゴールデンパラシュートを受け入れるか?果たしてクラウンジュエルとなったエビ、そして残されたコロモの運命は!?

腑におちるまでとことん経済を学ぼう
著 「西川里美は日経1年生!」編集部
編 吉田浩行
祥伝社黄金文庫
2009年12月
★★★★
<目次>
1時間目 経済のことを腑に落ちるまで学ぼう
2時間目 経済用語を「コトノハ」で学ぼう
3時間目 さとみんの「知らないままでは損をする『モノやお金のしくみDS』に挑戦!」
4時間目 さあ、日経TESTで自分の実力を知ろう!
『長谷部瞳は日経1年生』は以前紹介しましたが、あの後、番組が最終回を迎えてしまい密かに悲しみに暮れていました。ところがそこへ! 2009年の4月からは『西川里美は日経1年生!』 が始まりました! さらに、2009年の年末に番組の内容をまとめた書籍が出版されました。
就活特集第6弾は、少し視点を変えて、経済に目を向けてみたいと思います。

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2010-01-10 Sun
タダより儲かるものはない…!?
著 Chris Anderson
監修・解説 小林弘人
訳 高橋則明
2009年11月 NHK出版
2009年7月 原版
★★★★★
<目次>
■プロローグ
第1章 フリーの誕生
■無料とは何か?
第2章 「フリー」入門 ── 非常に誤解されている言葉の早わかり講座
第3章 フリーの歴史 ── ゼロ、ランチ、資本主義の敵
第4章 フリーの心理学 ── 気分はいいけど、よすぎないか?
■デジタル世界のフリー
第5章 安すぎて気にならない ── ウェブの教訓=毎年価格が半分になるものは、かならず無料になる
第6章 「情報はフリーになりたがる」 ── デジタル時代を定義づけた言葉の歴史
第7章 フリーと競争する ── その方法を学ぶのにマイクロソフトは数十年かかったのに、ヤフーは数ヶ月ですんだ
第8章 非収益化 ── グーグルと二一世紀型経済モデルの誕生
第9章 新しいメディアのビジネスモデル ── 無料メディア自体は新しくない。そのモデルがオンライン上のあらゆるものへと拡大していることが新しいのだ
第10章 無料経済はどのくらいの規模なのか? ── 小さなものではない
■無料経済とフリーの世界
第11章 ゼロの経済学 ── 一世紀前に一蹴された理論がデジタル経済の法則になったわけ
第12章 非貨幣経済 ── 金銭が支配しない場所では、何が支配するのか
第13章 (ときには)ムダもいい ── 潤沢さの持つ可能性をとことんまで追究するためには、コントロールしないことだ
第14章 フリー・ワールド ── 中国とブラジルは、フリーの最先端を進んでいる。そこから何が学べるだろうか?
第15章 潤沢さを想像する ── SFや宗教から、〈ポスト稀少〉社会を考える
第16章 「お金を払わなければ価値のあるものは手に入らない」 ── その他、フリーに対する疑念あれこれ
■結び ── 経済危機とフリー

関連するタグ sing 【一般書】 【経済産業】 【思考法】 【クーリエ100冊】 ★★★★★ クリス・アンダーソン
2009-10-14 Wed
前回はCEATEC JAPANのレポートをしましたが、電機業界全体ではどうなっているのでしょうか?
『日本の電機産業に未来はあるのか』
若林秀樹
洋泉社BIZ
2009年4月
★★★★
<目次>
第1章 2009年、奈落の底に突き落とされた電機業界に光は射すのか
第2章 2010年以降の中期見通しと避けられない構造変化
第3章 電機業界の「失われた10年」を総括し、今後の電機業界を占う
第4章 技術はどのように発展するか、それはどのように予測できるか
第5章 主要なエレクトロニクス企業の分析

関連するタグ sing 【一般書】 【経済産業】 若林秀樹