2010-02-26 Fri
1936年2月26日、午前4時21分。処刑されたはずの安藤輝三は、第三連隊を率いて三宅坂を行く。
国連の協力を得て、2度目の鈴木貫太郎侍従長襲撃を完遂するのだ。
懐の”ピリオド”には、残された正規残存時間がデジタル表示されている。
”327:50:39”

『ねじの回転』 (上・下)
恩田陸著,集英社,2002年12月
★★★★
鈴木貫太郎。
江戸時代の最後の年に生まれ、日露戦争では水雷戦にて”鬼カンタロー”の異名をとる活躍をし、2・26事件にて襲撃され頭部を撃たれるものの、蘇り、太平洋戦争末期には首相となって終戦を果たします。
物語は、主人公の1人である安藤輝三が2月26日に鈴木貫太郎を襲撃するところから始まります。しかしながらこれは初めての襲撃ではありませんでした。
すでに処刑されたはずの安藤は、21世紀の国連により蘇生され(というか時間を巻き戻され)、再度「史実を再現すること」を求められるのです。少しでも「史実」と異なる結果となれば、「不一致」として時間を巻き戻されやり直し。さらに、未来人に同じ任務を任された人間が他にも2人。
そして暗躍をはじめる「4人目」。
選ばれた介入ポイント「昭和維新」を舞台に、恩田陸が描く本格SFミステリです。

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