2010-06-15 Tue
「実験で証明されていない事に対しては、どんな権威が述べた事であっても、まず疑ってかかれ」(1661年,ロバート・ボイル著『懐疑的化学者』より)

『人物で語る化学入門』
竹内敬人著,岩波新書,2010年3月
★★★★
<目次>
序.物質は原子からできている
1.物質世界の役者たち -元素と原子
2.電気と化学の切っても切れない関係
3.どんな分子でもつくれるのか?
4.起こらない反応を起こさせる
5.大きいことはいいことだ -高分子の時代
6.物質を診察する
7.鏡の国の分子
終.21世紀の化学
化学と言えば、センター試験で25点(偏差値約30)だったのが昨日のことのよう。
そんな僕ですが、最近化学の知識が必要になりました。そこで入りやすい本はないかと探してみたところ、書店に平積みされた本書と出会ったわけです。
これがとにかくわかりやすいの!
本書は時系列やジャンルにとらわれることなく、化学史に名を残した登場人物たちの苦労を、テーマや人物ごとにさらりと紹介しています。その彼らの道程をなんとはなしに追うだけで、化学のエッセンスが頭に染んでいくのがわかるんです。
この読みやすさは人物目線だからか、それとも著者の「化学のおもしろさ」の濾過の純度の高さゆえか。
学術書には程遠いながらも、「化学すげぇ!」と初心者ながらに興奮できる1冊でした。
化学にトラウマのある人も、その道の人でも、読んで何かがスッキリする1冊です。

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