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【文学】 『のぼうの城』
この城、敵に回したが間違いか―

『のぼうの城』

   和田竜

   2007年11月

   小学館

   第139回直木賞 ノミネート
   2008年 本屋大賞 第2位

   ★★★★






<あらすじ>
豊臣秀吉の天下統一の仕上げ、北条攻めの一環として石田三成に任されたのは武州の館林城と忍城(おしじょう)の攻略。2万を超える三成軍に館林城は戦う前にさっさと降伏。残る忍城も兵力は1000に足らず、北条家からの寝返りを決めていた。
そして和戦を問う最終交渉。この場で“のぼう様”こと忍城城代・成田長親は突然、宣戦布告した。





◇“のぼう”様

忍城城主代行・成田長親(なりた・ながちか)は武も知も勇もないが、なぜか百姓から大人気。
といっても慕われているのとは少し違い、百姓は長親を世話してやっている、と上から目線。おいおい大丈夫かよ長親、と思っちゃいますが、この人ダメです。はっきりいって“のび太”
それでも幼馴染にして重臣の正木丹波守利英は長親に大器を感じとり、認めています。長親が計算高いのか天然なのか誰一人わからないのですが(読者含む)、これと民衆からの不思議な人望が戦を左右し、忍城が歴史上特筆するべき城になる重要な要素になってきます。

「武ある者が武なき者を蹂躙し、力ある者が力なき者から搾取する。これが人の世か」
開戦を決意した長親が洩らした本音は、城中の誰もが求めていることであり誰も言わなかったこと。こんなことを命の危険が迫ってる時に言えるのは“名将”か馬鹿くらいでしょう。長親はいったいどちらなのか、は読み終わった今でも正直わかりません。



◇石田堤

一方の攻め手は、秀吉の一番の腹心、明晰な頭脳と高い自尊心を持つ石田三成。三成は他人(世の中全て)に対して常に利害で考えます。特に百姓については搾取対象くらいにしか思っていません。厳格さに定評があり豊臣の天下を築き上げていくことになりますが、長親とは完全に正反対です。

長親の把握不可能な器量の前に、まるで長親を名将のように思い、手の平の上で遊ばされるような感覚に陥る三成ですが、もしかしたら自身で悪いほうに考えているだけかも知れません。その結果が石田堤(いしだ・づつみ)というわけです。

ただ、長親を知ることで三成の世界観に変化が生まれます。本作では、関ケ原の戦いを三成が起こすきっかけとなる思考プロセスにうまく結び付けて描かれています。

それにしても、忍城攻めの豊臣軍は錚々たる武将が勢揃いですね。のちの五大老五奉行や関ヶ原での名将が名を連ねているので、戦国時代好きにはたまらないです。



◇坂東武者

関東の武士は「日本全てで関八州にあたれ」と言われる猛者揃い。忍城方は、正木丹波守利英柴崎和泉守酒巻 靱負(さかまき・ゆきえ)らが守りますが、なにぶん兵力が無いので大将が前線に出て戦います。のび太は邪魔なので後方。
攻めの豊臣勢は、石田三成大谷吉継長束正家ら。忍城の八つの門では、それぞれ攻め手数千人vs守り手数十人の戦いが繰り広げられます。もはやただの弱い者いじめにしか見えませんが、果たしていくつの門を守り切れるか。
個人的には大谷吉継の関ヶ原での存在感(白装束)が好きですが、この戦いではまだ若く、戦況の読みが甘いところが意外でした。

長親が言い放った宣戦布告、そして最後の三成との会談は格好よすぎです。実際の行動は全く格好良くないのですが、いざという時は不思議とキメてくれます。
読み進むほどに、何もできない奴だけど忍城のボスは長親しかいない、と思ってしまいました。この同じような感覚を持ったからこそ、荒くれ者の坂東武者と生命力に溢れる農民が従ったのでしょうか。

本屋大賞ノミネート作らしい、スカッとする戦の描写と、登場人物の心の動きが見事にマッチした傑作です。今年には映画化も予定されているようで、楽しみです。



** 舞台紹介 **
忍城(おし・じょう)
現在の埼玉県行田市にあった城。利根川と荒川に挟まれた領地を成田氏が統治。小田原の北条と上越の上杉に挟
まれ苦労が絶えない。忍城は残っていませんが、石田堤は一部見ることができます。wikipedia


** 著者紹介 **
和田竜(わだ・りょう)
1969年12月、大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。2003年、本作と同内容の『忍ぶの城』で脚本界の第29
回城戸賞。小説は本作がデビュー作となる。2009年、第2作『小太郎の左腕』を出版。


** 装丁紹介 **
オノ・ナツメ
1977年7月9日生まれ。漫画家。2003年にウェブコミック雑誌『COMIC SEED!』(ぺんぎん書房)に掲載の「LA QUINTA CAMERA(ラ・クインタ・カーメラ)」でデビュー。公式HP
wikipediaより

** この作品を紹介しているサイトさん **
・「時代小説県歴史小説村」さん
・「仮想世界とかアバターとかソーシャルアプリとかARとかイベントとかメタルとかいろいろ。っつーかタイトル考えるのめんどくせぇ」さん
・「」さん

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関連するタグ sing 【小説】 【時代小説】 【歴史/人物】 和田竜 【文芸書】
時代小説 | 10:02:13 | トラックバック(0) | コメント(0)
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