■レビュージャンル
■テーマ別記事リンク
■管理人プロフィール

Otoya sing です.
地震の影響はありませんでした.
通常運営してまいります.

■最新記事
■カウンタ


当サイトではきれいなお姉さんを
全面的に支持します

■最新コメント
■最新トラックバック
■月別アーカイブ
■検索フォーム

■RSSリンクの表示
■QRコード

QR


ラ・フォル・ジュルネ
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


関連するタグ
スポンサー広告 | --:--:--
【思考法】『思考の整理学』(3/3)
さて、前回もご紹介した『思考の整理学』。本書は考えることのおもしろさを教えてくれる良書中の良書です。
前回は「生まれたアイディアを洗練させる方法」について紹介しましたが、今回は「アイディアを輝かせるための切り口」「思考の抽象化」について考えたいと思います。



思考の整理学 (ちくま文庫)
 『思考の整理学』

 外山滋比古著,筑摩書房,1986年4月
 ★★★★★














========


◎詩人の教え

「詩とは、もっともよき語をもっともよき順番に置いたものである」

著者は2つの詩人の教えを本書の中で説いていて、その1つがこちら。その心は、言葉自体を生み出すことでなく、言葉の選択とその順番付けに意味があるということ。すなわち編集の妙について述べたもの。
例えば小説の短編集には、各編がそれなりでも、並べて読むことにより異彩を放つものがある。以前紹介した伊坂幸太郎『ラッシュライフ』もその類でしょうか。

ここで注目したいのは「思考するにあたって、ネタは必ずしも自分で考えたものでなくて良い」という点。個別のネタそのものでなく、その組み合わせで競えばいいというのは、なんだか肩の荷の下りるアドバイスじゃないですか。
著者がなぜ「テーマは2つ以上選んで並列に進めろ」というのかがここにも繋がってくると思います。まずは色んな思考を重ねてみて、一見関係ないようなことでも連関して考えてみることで、思わぬ進歩性が生まれるかもしれません。


「詩の創造に際して起こるのは、酸素と二酸化硫黄のあるところへ、プラチナのフィラメントを入れたときに起こる化学反応に似ている」

続く教えが触媒反応について述べたこれ。
その心は、創作の中には、個性を出すようでいて、実は個性を限りなく無に近づけるべきものがあるというもの。この究極の例として著者は俳句を挙げています。
俳句や短歌はなるべく主観を排して風景描写を述べるにとどめ、にもかかわらず詠み人の心情を聴く人に伝えている。これがすごい! と。
なるほど確かに、創作の方向を客観に推し進める方法があるということに初めて気付きました。
王朝の歌人・藤原定家について以前レビューしましたが、実際に洗練された歌というものに触れてみると、「なんでそこでその言葉をもってきたのか…!」と選択の妙に胸打たれます。


著者はこのように『思考』という主観的な作業の中で、主観を排することによる効果を述べてますが、僕はこれが意外だったので紹介してみました。



◎メッタメタにすればいいのか?

著者はアイディアを寝かせて移し変えることで、思考をメタ化し、それから具体化するという、抽象のはしごの上り下りの大切さを述べている。この点はsingのレビューでも述べているけど、、メッタメタにすればいいのか? と言えば、してやればいいんです。
さらに付け加えるなら、思考の整理には上位・下位概念化以外にも方向があるという点。

                 抽象化(要するに?)
                      
  結果(なんのために?)  思 考  原因(なぜそうなるのか?) 
                      
                 具体化(どうやって?)

これは本書の例ではなくて一般論だけど、思考のフレームワークは色々なところで紹介されているので、こういうものを取り入れていきたいなと。
また、寝かせたアイディアを移植するにあたっても、ただ取捨選択するだけでなく、様々な思考のフレームワークにかけてみると、漏れてる部分に焦点を当てられていいかも。あるいは移植目的ではなく半分起こす目的で、アイディアを棚卸ししてみるのもおもしろいと思ってます。



◎密度が濃くて紹介しきれない

他にも、欧陽修の名言「三多」(※)や、声に出してみることの大切さ、アイディアを批判することの恐ろしさなど、改めて考え直させられる教えが多かったです。他にも印象に残った言葉を紹介。

「不用意な修飾は伝達性を損ねかねない。修飾語を多くつけると表現は弱くなる」
 →最近友人に指摘されたばかりなのでドキッとしたり。

「身近な人の名、固有名詞をひっぱりださない。共通の知人の名前が出ると、どうしても会話はゴシップに終わる。害があっても益はない」
 →知的会話をするためには、気心が知れていて、しかもなるべく縁の薄いことをしている人が
  集まって、現実離れした話をするべきとか


見紛うことなき五ツ星の一冊。
座右にぜひ。


※「三多」=看多・做多・商量多の略で、「多くの本を読み、多くの文を作り、多く工夫し推敲する」の意

** 著者紹介 **
外山滋比古(とやま しげひこ) 1923~
1923年生まれ。東京文理科大学英文科卒業。お茶の水女子大学名誉教授。専攻の英文学に始まり、テクスト、レトリック、エディターシップ、思考、日本語論の分野で、独創的な仕事を続けている。『思考の整理学』『ちょっとした勉強のコツ』『ことわざの論理』『「読み」の整理学』『知的創造のヒント』などたくさんの著書がある。
(筑摩書房HPより引用)



** 『思考法』に関する関連レビュー **
『地頭力を鍛える』
『思考の整理学』(1) (2)
Otoya


テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

関連するタグ Otoya 【一般書】 【思考法】 外山滋比古 思考の整理学
思考法 | 03:25:25 | トラックバック(0) | コメント(0)
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。