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【科学】『人物で語る化学入門』
「実験で証明されていない事に対しては、どんな権威が述べた事であっても、まず疑ってかかれ」
(1661年,ロバート・ボイル著『懐疑的化学者』より)



人物で語る化学入門 (岩波新書)
 『人物で語る化学入門』

 竹内敬人著,岩波新書,2010年3月
 ★★★★

 <目次>
 序.物質は原子からできている
 1.物質世界の役者たち -元素と原子
 2.電気と化学の切っても切れない関係
 3.どんな分子でもつくれるのか?
 4.起こらない反応を起こさせる
 5.大きいことはいいことだ -高分子の時代
 6.物質を診察する
 7.鏡の国の分子
 終.21世紀の化学





化学と言えば、センター試験で25点(偏差値約30)だったのが昨日のことのよう。
そんな僕ですが、最近化学の知識が必要になりました。そこで入りやすい本はないかと探してみたところ、書店に平積みされた本書と出会ったわけです。

これがとにかくわかりやすいの!
本書は時系列やジャンルにとらわれることなく、化学史に名を残した登場人物たちの苦労を、テーマや人物ごとにさらりと紹介しています。その彼らの道程をなんとはなしに追うだけで、化学のエッセンスが頭に染んでいくのがわかるんです。
この読みやすさは人物目線だからか、それとも著者の「化学のおもしろさ」の濾過の純度の高さゆえか。

学術書には程遠いながらも、「化学すげぇ!」と初心者ながらに興奮できる1冊でした。
化学にトラウマのある人も、その道の人でも、読んで何かがスッキリする1冊です。


========


◎例えばフロギストン.あなたはこの元素を知っていますか?

「全ての可燃物はフロギストン(燃素)を有し、燃焼とはフロギストンが放出されることである」
という説がかつて信じられていました。でもこれは間違った解釈。
やがてラヴォアジエが「質量保存の法則」により正しい解釈を与え、プリーストリーにより、
「燃焼とは、フロギストンを受け取る“脱フロギストン”と可燃物が結合することである」
と正しい理論が導かれます。

つまり物が燃えるのは「フロギストンが放出されるから」ではなく、「ものが脱フロギストンと結合するから」が正解。やがてこの「脱フロギストン」には「酸素」と、燃焼後に残る「フロギストン化空気」には「窒素」と、名が与えられました。

おお、酸素ってそういうことだったのか! と慣れ親しんだ酸素の由来を見直しつつ、その意味を再確認。こうして各時代の研究者たちの目線になって、当時の常識に照らして彼らの努力を知ることで、理論に実感がわいていく気がします。


“ところが、維新によって日本人ははじめて近代的な「国家」というものをもった。たれもが「国民」になった。不馴れながら「国民」になった日本人たちは、日本史上の最初の体験者としてその新鮮さに昂揚した。
このいたいたしいばかりの昂揚がわからなければ、この段階の歴史はわからない。”
(司馬遼太郎著『坂の上の雲』あとがきより)


歴史は概して、当時の風俗・文化の理解なくしてその理解ができないことを教えてくれますが、化学もまた然り。当事者の置かれた背景を知ることで、ぐっと近寄ることができます。


ジャイアンとツチノコ
                      人に歴史有り



◎化合物の数だけ青春がある

全ての物質が火、空気、水、土から成るという「四元素説」を出発に、各原子の存在が明らかにされた後、今度は「電子」の存在が明るみに出ます。
これがいかに化学史上の大発見かは本書に譲るとして、これにより「周期表」が解読され、周期表を地図代わりにした各種元素の探索、化学反応の概念の登場と「化合物」の発見、そして「有機化合物」の時代のはじまりと、マインスイーパーを解くようにして化学の世界が広がっていきます。

 「歴史は、そのちょっと前にさかのぼれば理解できる」

とは週刊子供ニュースの元お父さん・池上彰氏の言葉ですが、本書の化学史に沿った紹介は、複雑怪奇な化学の世界の古今東西を俯瞰するに十分です。
そして今は中学の教科書に乗っているような事実であっても、時代の当事者にすれば実にダイナミックで、不確かで、そして世界を揺るがす発見だったかがわかるんですねー。


化学史の大きな転機の1つとして、有機化合物の合成が挙げられます。
それまで生体内でしか作れないと信じられていた有機物は、今や数千万種類が人工され、化学は無限の広がりを見せるようになりました。

 青銅と鋼鉄の時代 → アルミの時代 → プラスチックの時代

と、人類史と共に歩んできた化学。
本書に登場する化学者たちも、その研究を戦争目的に使われた人は少なくありませんでした。
21世紀は超分子ナノテクノロジーの時代になるとか。
今後はどんな物質が現れ、それをどんな人が発見するのか。楽しみです。


** 著者紹介 **
竹内 敬人(たけうち よしと)1934~
東京大学教養学部教養学科卒業、理学博士。現在東京大学名誉教授、神奈川大学名誉教授で、専攻は有機化学と科学教育。著書に『ビジュアルエイド化学入門』『NMRの基礎と欧陽』『高校からの化学入門』『科学の基礎』など多数。
(本書より)



** 他にこの本を紹介しているサイトさん **
「Pata」さん
 →バスタブに反応性元素を入れる爆発実験のYouTube動画が
「晴走雨読」さん
Otoya


テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

関連するタグ Otoya 【一般書】 【科学/技術/専門】 【歴史/人物】 竹内敬人
科学/技術/専門 | 00:48:49 | トラックバック(0) | コメント(0)
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