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【映画】 『借り暮らしのアリエッティ』
多摩近郊の屋敷の床下に暮らす小人のアリエッティは、父・母との3人暮らし。
父はゴキブリやネズミを避けながら、深夜の寝静まった屋敷に出かけて生活用品を「借り」てくる。母は父が手に入れたクッキーを砕いてパンにし、ハーブティを淹れる。身長10cmの小人たちは、人間に気づかれないようにして慎ましく暮らしていた。
「人間の子供が来たようだ」
ある日、屋敷には療養のために翔という少年がやってくる。人間を警戒する父に見守られながら、アリエッティは初めての「借り」に出発した。




借り暮らしタイトル
 『借り暮らしのアリエッティ』

 米林宏昌監督,宮崎駿脚本,スタジオジブリ,2010年7月
 ★★★★

 原作『床下の小人たち』
 (『The borrowers』,メアリー・ノートン著,1952)

 映画公式HP:
  http://www.karigurashi.jp/index.html






『ハウルの動く城』『崖の下のポニョ』に続くジブリ作品。。
監督は宮崎駿ではなく米林宏昌という方で、今までのジブリ作品とは少し違ったストーリー運びながらも、冒険心をくすぐる一本。さっそく観てきたのでレビューしたいと思います。
「借り」に出るお父さんはカッコいいし、ミクロな世界の小人視点の生活にはワクワクしっぱなし。
そして「きみは僕の心臓の一部だ」は僕の中でヒットでした。


!以下ネタバレを含みます!



========


◎登場人物はわずかに7人

これまでのジブリシリーズとは打って変わって、本作はとにかく規模が小さいです。
登場人物はアリエッティの家族3人と、屋敷の人間3人、そして森で出会ったスピナーだけだし(あと猫とカラスも入れるべきなのかな)、舞台も屋敷の床下と部屋の一部だけ。
ストーリーについても、アリエッティと翔が出会い別れる中で、起きる大きな事件と言えば家政婦ハルによる母親誘拐くらい。
2時間あるものの、短編と言って差し支えない映画だったと思います。

ストーリーに大掛かりな仕掛けやどんでん返しがない分、この作品のテーマの1つである「サバイバル」についてはしっかり描写されていました。
床下に作られた彼らの家や、クギやコンセントの穴などで工夫して作られた屋敷の壁の中の秘密のルートは、冒険心をくすぐりますねえ。「借り」に出かけるお父さんもカッコいい!
地上との距離感もしっかり描かれていて、数十センチの高さが彼らにとっては絶壁に見えます。
彼らはイヤリングをカギ爪にし、足に粘着テープを貼って、カーテンや台所のテーブルをよじ登ります。わりとスパイ系。見ててとても楽しいです。

「魔法など特別な力は存在せず、あくまで身の丈にあった道具を工夫して生き延びる」

というテーマがきっちり伝わる前半。(しかもワクワクさせてくれるのはさすがジブリ)
液体の粘度が高いとことか、聞こえる音など、終始ミクロの世界を実感できる構成も芸が細かくて良かったです。


借り暮らし小部屋
 ↑植物で飾られたアリエッティの部屋。こんなとこに住んでみたい! と思わせてくれるのもジブリならでは



◎"充分に発達した科学は、魔法と見分けが付かない"(アーサー・C・クラーク)

ジブリ作品の世界観として、「死生観」を扱っているものが多いと思います。

『トトロ』では森の向こうの世界と、そして神隠しの不気味さにもこっそりと触れています。
『もののけ姫』では死を超越した存在としての物の怪と、生の範囲で戦う人間が描かれました。
『ナウシカ』は生命の種としての役割とその死がテーマだし、『千と千尋』はダイレクトにあっちの世界に行っちゃってますね(電車のシーンがマジ怖かった)。
『ポニョ』はまだ観てないからわかんないや…。

と、直接「死生観」がテーマではないにしても、それに触れる作品が多い中で、本作もまた「滅び」をテーマにした作品でした。


アリエッティとその家族は、生活に必要なものを「借り」てきて、リサイクルして使えるように加工しながら暮らしています。そこには暖かい家族の姿がありますが、他の小人たちはもう滅んでしまったと考えられていて、父さんもいつゴキブリに食べられてしまうかわかりません。

屋敷にやってきた翔は、両親が離婚し、母も仕事が忙しくて海外にいて、老婆2人と過ごします。屋敷にはモノが溢れていますが、その多くはすでに使われなくなったものかもしれません。翔自身もまた心臓を病んでおり、一週間後の手術が失敗すれば死んでしまいます。


『ナウシカ』『ラピュタ』で主人公たちは太古に滅びた文明を目の当たりにしました。千年前にセラミック文明を誇った人類や、浮遊要塞を築いたラピュタ人たちは、その科学技術の高さゆえに滅び、彼らが設計した腐海と王蟲、天空の城だけが後世に残されました。
『もののけ姫』の人間は追う側でしたが、いずれにせよジブリの「文明」は滅びを孕みます。

宮崎駿はもしかしたら、多摩近くの屋敷の床下に暮らす小人たちの目を通して、現在の我々の科学文明に矛盾は無いか? と問うているのかもしれません。
小人たち3人と屋敷の3人を対比的に描くことで、それも事件ではなく「生活」を描くことにより、本当に滅びるのはどちらなのか、滅ぼしてしまって良いのか、滅びを回避するとしたら回帰すべき場所はどこなのかを問いかけているのでは。


借り暮らし屋敷
 ↑アリエッティたちが暮らすのはこの屋敷の床下



◎きみは僕の心臓の一部だ

アリエッティは「ジブリの描く少女」な感じ、父さんは渋いし母さんも明るくて素敵でした。
けど僕は翔の性格に疑問。

「こ わ が ら な い で」

アリエッティ視点ゆえに野太く聞こえる翔の声はショッキング。
そもそもベッドからアリエッティを凝視する初対面にホラーの要素が入ってます。
観ててビクッってなった。

「見ていい?」

アリエッティを至近に置いてのそのセリフはどうなのか。。
見たら見たで「キレイだね」ときますしね。もうちょっと男らしくいって欲しい。
ところが慣れてきたら慣れてきたでぶしつけに、

「ふうん、君たちは滅びゆく運命なんだね」
「だってもう小人は君たち以外にいないんでしょ? (いるという反論に対して)何人いるの?」
「僕たち人間はどのくらいいると思う? 67億人だよ?」


絶句するアリエッティ。
なぜ翔が小人事情をそこまで知ってたのかは不明なものの、このやりとりで物語のテーマが伝わったことは確かです。が、「お前なんなんだよ」ってツッコまずにはいられない性格ぶりでした。
そして極めつけは別れ際の一言。

「きみは僕の心臓の一部だ」

コレね。
これは使えますよ。
本命の人にぜひ伝えてあげましょう。


あ、でも英語にすると「you are a part of my heart」でホントにちょっといい感じ(使うかは別として)。原作は英語なので、もしかしたら原作の言葉をそのまま持ってきたのかもしれませんね。



普段生活してる場所を小人になって探検したら? と観るだけでもかなり楽しめる作品です。まず外れることはありません。
ぜひ映画館に足を運んでみてください。


** 監督紹介 **
米林宏昌(よねばやし ひろまさ)1973~
金沢美術工芸大学商業デザイン科卒業後、1996年にスタジオジブリに入社。以来アニメーターとして宮崎駿監督作品などに参加。
映画『借りぐらしのアリエッティ』にて、長編作品としては自身初となる監督に就任。またこれはスタジオジブリの歴代作品の監督として最年少となる。本作品で宮崎が脚本に徹し米林に演出を委ねた理由について、プロデューサーの鈴木敏夫は、同映画は宮崎が若かりし頃に構想した点を指摘した上で「若いときに考えていたものを、彼に提供するのが一つの役割なんじゃないかと思った」と説明している。
『千と千尋の神隠し』のキャラクター・カオナシのモデルでもある。
wikipeidaより)



** 原作紹介 **
原著『The Borrowers』
メアリー・ノートン著、1952年初版(英国)。
14歳の好奇心旺盛な少女アリエッティをはじめとする床下の小人と、人間の少年との交流を描いた物語。2007年に、カーネギーメダルにより「過去70年における児童文学ベスト10」に選ばれた。
続編が4冊出版されている。
wikipedia(英語)より)
床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)


** 他にこの映画を紹介しているサイトさん **
「陽面着陸計画」さん
 →ジブリの情景、本作の良さが伝わってくるレビュー
  アリエッティと翔の関係については、穿って感想書いた自分が恥ずかしくなりました。。
「『宮崎 駿』作品が語りかけるもの」さん
 →この感想を読めば作品の雰囲気が良くわかると思います。
「merciの評価帳」さん
 →映画公開以前の記事ですが、原作全巻と『コロボックル物語』を対比して予想していて参考になります。

Otoya


テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

関連するタグ Otoya 【映画】 ジブリ
映画 | 13:16:52 | トラックバック(0) | コメント(2)
コメント
こんにちは!
先日はコメントありがとうござました!
言い忘れてしまいましたが、
またOtoyaさんの記事でも紹介してくださって
ありがとうございます!!

なんだかこのOtoyaさんの記事、
全文を引用したいほど素晴らしかったです!
>現在の我々の科学文明に矛盾は無いか?
宮崎監督や、いつもこうした「失いかけているもの」を
そうしてはいけないと警告している作品が多いですよね。
だからこそ、テーマ性がぶれないし、
だからこそ、世界的にも評価されるのでしょうね。
(技術も素晴らしいですが)

翔については、
Otoyaさんはそのような印象だったんですね~!
私は個人的に、
「あ~本当に翔は落ちているんだなー」って悲しくなりました。
最後には「気持ちの上では」ハッピーエンドで良かったです!

良い映画でした。
充実していました。
2010-07-31 土 10:19:48 | URL | なるは [編集]
コメントありがとうございます!
いえいえ、僕もなるはさんのように感動の伝わるレビューが書きたいです。
翔については敢えてちょっと穿った感想にしてみたのですが、そのあとなるはさんの記事を読んで、恥ずかしくなった次第です。それでTB送るのは遠慮してしまいました。

ジブリは心の原風景がしっかり描かれていていいですよね。
あの風景だけは絶対に無くしちゃいけない、といつも思います。
また観たいですね。
2010-07-31 土 23:32:47 | URL | Otoya [編集]
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