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【思考法】 『もしドラ』(2/2)
「マネジメント」といういちジャンルを築き上げたドラッカーの代表著作として、『マネジメント』という本はすごいと思います。それは新しい概念をまとめたからというだけでなく、それを人に伝えられる形にしたということも含めて。

その点、ミリオンセラーを記録した『もしドラ』の魅力の1つは、さらに『マネジメント』をかみ砕いて伝えたところ。じゃあ『もしドラ』が単に『マネジメント』の手法を女子マネージャーに適応しただけかというと、そうじゃなくて、「マネジメント」をはじめる前にするべき本当に大切な事を、主人公みなみが体現していることがすごいんだと思う。



『もし高校野球の女子マネージャーが
  ドラッカーの『マネジメント』を読んだら』

もしドラ
 岩崎夏海著,ダイヤモンド社,2009年12月

 ★★★★

 <目次>
 プロローグ
 1.みなみは『マネジメント』と出会った
 2.みなみは野球部のマネジメントに取り組んだ
 3.みなみはマーケティングに取り組んだ
 4.みなみは専門家の通訳になろうとした
 5.みなみは人の強みを生かそうとした
 6.みなみはイノベーションに取り組んだ
 7.みなみは人事の問題に取り組んだ
 8.みなみは真摯さとは何かを考えた
 エピローグ





いま流行の『もしドラ』、以前singがレビューしましたが、僕も読んでみましたよ。
世界的な名著といわれる原著、ドラッカー『マネジメント』も、日本での売り上げ累計が10万部なのに対して、『もしドラ』発売以後わずか半年あまりで38万部を記録したそう(2010年7月)。
中身も大事だけど、伝え方も本当にあるんだなーと思いますね。


========


◎『マネジメント』を読んで、マネジメントができるのか?

ストーリーはいまさら語るまでも無いですね。
主人公みなみがドラッカーの『マネジメント』に出会い、その経営手法を野球部に適応していくというもの。単にビジネス書の意訳ではなく、ちゃんとキャラクターに意味があって、ストーリーに起伏があるのもおもしろかった。

でもよくよく考えたいのは、みなみのように『マネジメント』を読めば誰でも経営ができるようになるのか、誰でも成功できるのか、ということ。作中では『マネジメント』の手法が諸葛亮の計略のようにサクサクはまっていくけれど、現実ではきっとそうは行かない。
じゃあ結局フィクションはフィクションなのか、というと、実は本書でも「どうしたら本当に成功を得られるのか」が書いてあると思う。そして僕は、そのことに本書の価値を見出したい。

ということで『マネジメント』ならぬ『もしドラ』を開いてみると…


それで、みなみはドキドキしながらその先を読み進めた。すると、そこにはこうあった。

 人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進精度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だがそれだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである。(130頁)

その瞬間、みなみは電撃に撃たれたようなショックを覚えた。



『もしドラ』によれば、『マネジメント』は23ページ(エッセンシャル版)で、企業の目的と定義の出発点を「顧客」であると定義している。
この目的・定義というのは本当に本当に重要で、例えば法律だと第1条か第2条あたりに「法目的」が書かれていて、数百と条文が続こうともこの目的から外れない。

ところが作中でみなみは、『マネジメント』23ページに書かれた「目的・定義」よりも先に、130ページに書かれた「マネージャーの資質」を読んでいる。
この巧みな順番の入れ替えが、本書が「経営」の本ではなく「経営者」の本であることを表しているんだと思う。



◎どうしたら真摯になれるかは、みなみから学ぼう

僕はに常々思っている数式がある。

  能力 = ∫努力 = ∬情熱  ←この積分記号ちゃんと表示されるのかな…

いまどんなに秀でた人も、それ以上の努力をする人にはいつか抜かれてしまう。そしてどんなに努力をしても、それ以上の情熱を持った人の努力には勝てない。

その点、みなみは終盤である出来事をきっかけに目的を見失うけど、それ以外は常に情熱を燃やし続けていた。だからこそ『マネジメント』の手法を実現できたし、そもそも『マネジメント』を野球部に最適化するというステップもこなせたんだと思う。

終盤の野球部の戦いは、種目は違えど部活経験者から考えればありえない。
やっぱり練習量とかそれまでの積み重ねって大事で、半年や1年だけ密度の濃い練習をしたって限界があるんじゃ…と僕は思う。それでも、みなみのマネジメントにより野球部員たちが「情熱」を得て、その力で戦えたんだと信じたい。

『マネジメント』が語るように、本当に大事なのは技術ではなく真摯さ。
特にwebでいくらでも方法論を学べるいまこそ、その違いは現れるはず。
糸井重里も「食べきれないのは量が多いからではなく、まずいから」と言っているけど、おいしいと感じさえすればどんな量でも食べられる。おもしろいと感じさえすれば、どんな仕事も解決できる。

みなみはそんなことを僕に教えてくれました。



** 著者紹介 **
岩崎夏海(いわさき・なつみ)
1968年7月生まれ。東京都日野市出身。東京藝術大学美術学部建築学科卒。大学卒業後、作詞家の秋元康氏に師事。放送作家として「とんねるずのみなさんのおかげです」「ダウンタウンのごっつええ感じ」等のテレビ番組の制作に参加。アイドルグループ「AKB48」のプロデュース等にも携わる。その後、ゲームやウェブコンテンツの開発会社を経て、現在はマネジャーとして株式会社吉田正樹事務所に勤務。


** 参考リンク **
bestseller's interview 第10回 岩崎夏海さん

** 関連レビュー **
『もしドラ』レビュー(1/2)

Otoya


=== ノート ===

◎『もしドラ』が引用するところの『マネジメント』と、ストーリー

・P17 「マネージャーの資質」
マネージャーの資質は「真摯さ」にある(130頁)
<みなみ、自分の位置づけを定義>

・P24 「組織の定義」
あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向付け、努力を実現するには、「我々の事業は何か、なんであるべきか」の定義をする事が不可欠(22頁)
<みなみ、組織を定義>

・P35 「企業の目的と定義」
企業の目的と氏名を定義するとき、出発点は1つしかない。顧客である。顧客によって事業は定義される。顧客が財やサービスを購入することにより満足させようとする欲求によって定義される
したがって「我々の事業とは何か」との問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる。
したがって「顧客とは誰か」との問いこそ、ここの企業の使命を定義する上で、もっとも重要な問いである。(23頁)

<みなみ、組織の目的を定義、ターゲット決定>

・P58 「企業の機能」
企業の目的は顧客の創造である。したがって、企業は2つの、そして2つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。
<みなみ、ターゲットへのマーケティングに工夫が必要だと発見>

・P89
マネジメントは、生産的な仕事を通じて、働く人たちに成果をあげさせなければならない(57頁)
 →「生産的な仕事」であることが大事か
働き甲斐を与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのために以下が不可欠
 ①生産的な仕事、②フィードバック情報、③継続学習

<みなみ、お見舞い面談で働き甲斐の与え方を学ぶ>

・P92 「専門家」
専門家にはマネージャーが必要である。自らの知識と能力を全体の成果に結びつけることこそ、専門家にとって最大の問題である。専門家にとってはコミュニケーションが問題である。自らのアウトプットが他のもののインプットにならない限り、成果は上がらない
専門家のアウトプットとは知識であり情報である。彼らは理解してもらってこそ初めて有効な存在となる
彼らは自らの顧客たる組織内の同僚が必要となるものを供給しなければならない。
マネージャーの仕事は、組織の目標を専門化の用語に翻訳してやり、逆に専門家のアウトプットをその顧客の言葉に翻訳してやることである。(125頁)
マネージャーは専門家のボスではない。逆に専門家は、マネージャーの上司となりうるし、上司とならねばらない。教師であり教育者で無ければならない。

<みなみ、加持を発見>
 →このへんから各登場人物の「役割」が見えてくる
 →みなみと加持の関係はけっこう参考になるかも
 →『マネジメント』のこの定義から「加持」というキャラクターを設計できたのはすごい

・P119
成長には準備が必要である。いつ機会が訪れるかは予測できない。準備しておかなければならない。準備ができていなければ、機会は去り、他所へ行く。(262頁)
<みなみ、準備が整っており、それぞれを統合すべき時期であることに気づく>
 →いい言葉であると同時に、物語の王道である「努力・友情・勝利」の法則に対して、物語中盤でこの言葉をもってきて、ストーリー運びにおける「準備」の1つの動機にしたのはおもしろい
 →個別の準備→統合→いい感じにストーリー進む→爆発、というストーリー
  →ここでちょこちょこ問題を起こしたりする

・P120
人が雇われるのは、強みであり能力の故である。組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、弱みを中和することにある。
<みなみ、組織における人間関係を調整>

・P134
仕事を生産的なものにするには4つのものが必要(62頁)
①分析 …仕事に必要な作業と手順と道具を知る
②総合 …作業を集めプロセスとして再編
③管理 …方向と位置づけ、質と量、基準と例外の管理手段を組み込む
④道具

<みなみ、自己管理目標導入>

・P137
働き甲斐を与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない(74頁)
<みなみ、チーム編成化>

・P143 「イノベーション」
イノベーションとは、科学や技術そのものではなく価値である。組織の中ではなく、組織の外にもたらす変化である。イノベーションの尺度は、外の世界への影響である(226頁)
 →この定義はおもしろい
イノベーションの戦略は、既存のものはすべて陳腐化すると仮定する。イノベーションについての戦略の指針は、より新しくより違ったものでなければならない。
イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。イノベーションを行う組織は、昨日を守るために時間と資源を使わない。昨日をすててこそ、資源、特に人材という貴重な資源をあたらしいもののために開放できる(269頁)

 →使えるなあ
<みなみ、既存ではない戦略を加持と開発>

・P171あたり
<みなみ、外部組織を巻き込み>
 →ストーリー上、この時点で外部組織の巻き込みが語られるのは、ストーリー構成の上でどうなんだろう。他のストーリーとも比べてみたい。経営視点でストーリーを運んだからこうなったのか、「おもしろいストーリー」は必然的にこうした構成になるのか。

・P175
成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。間違いや失敗をしないものを信用してはならない。それは、見せかけか、無難な事、下らないことにしか手をつけないものである。
<みなみ、アイディアの良し悪しを判断するのは自分の役目ではないと判断>
 →自分の役割を再認識
 →この時点では組織や他のメンバーが実に頼れるものに、任せられるものになっている

・P176 「トップマネジメント」
チームは単純ではない。仲のよさだけではうまく機能しない。(228頁)
①トップマネジメントのメンバーは、それぞれの担当分野において最終的な決定権を持つ
②トップマネジメントのメンバーは、自らの担当以外の分野について意思決定を行ってはならない
③トップマネジメントのメンバーは、仲良くする必要も尊敬しあう必要も無い。ただし攻撃しあってはならず、会議室の外では、互いを批判したり、ほめあう事さえしないほうがいい
④トップマネジメントは委員会ではない。チームである。チームにはリーダーとしてのキャプテンがいる

<みなみ、他人の意見を傾聴>

・P178 「組織の規模」
組織には、それ以下では存続できないという最小規模の限界が産業別、市場別にある。逆にそれを超えると、以下にマネジメントしようとも繁栄を続けられなくなるという最大規模の限界がある(236頁)
市場において目指すべき地位は、最大ではなく最適である(31頁)
規模についての最大の問題は組織の内部やマネジメントの限界にあるのではなく、地域社会に比較して多きすぎることである(243頁)
規模は戦略に影響を及ぼす。逆に戦略も規模に影響を及ぼす(236頁)

<みなみ、野球部新入生を峻別>

・P181 「人事」
ともに働くもの、とくに部下に対しては、真摯であるかどうかは2,3週間でわかる。無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛容足りうる。だが、真摯さの欠如は許さない。彼らはそのようなものをマネージャーに選ぶことを許さない。(147頁)
 →ドキリとしたり

・P192
このあたりになると、外部組織との関係の成果が大規模化し、実っている

・P204 「努力じゃなく結果」
組織構造は、組織の仲の人間や組織単位の関心を、努力ではなく成果に向けさせなければならない。成果こそ、全ての活動の目的である。
<みなみ、夕紀と意見が対立>
 →このへんで主人公の迷いと再定義をもってくるのはさすが
 →結末への伏線になっている
 →singは主人公がこのような考えにいたった過程を書くべきと言っている。個人的にはこれまでのストーリーを通して、というか「マネジメント」の意義からして十分に書かれていると思うが、singがそう思ったなら、自分が気づいていないストーリー上の不足が何かあるのだろう。

・P230あたりから
まさかの展開。ベタだけどベタなだけに本書にあう。かつ、本書だからこそこのようなベタな展開が必要なのかも知れない。いやどうなんだろう。この辺のストーリー運びは良く考える必要がある。
以後の試合は、それまでの伏線をよく回収していて、かつ回収のタイミングも申し分ない。ベタだけど必要。


◎その他所感

・P47
「体育会系出身」というキャリアが日本ではすごく有利になるらしい。人間関係でいっぱい失敗できるし、「何かを実現するために人を使って努力する」って点では確かに鍛えられてるかも。

・P52 大恐慌時におけるキャデラックの顧客定義
「顧客は誰か」という問いに対し「ダイヤモンドやミンクのコートを買うお客さん」という答えを出して、「ステータス」という定義づけをした。

・本書は『マネジメント』をただなぞるのではなく、マネージャー視点で読むべき順番を考えている

・この本を読んで、経営者を目指す中高生も増えているのだろうか。
 この本が出たことで、大学や高校の部活の質もあがっているのだろうか。
 もしそうなら、数十年後の日本はもっと楽しみな事になるかもしれない。

 
・・・

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

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思考法 | 00:05:12 | トラックバック(0) | コメント(0)
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