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【文学】 『マクベス』
「輝く光は深い闇よ、深い闇は輝く光よ」



『マクベス』
『マクベス』

   シェイクスピア

   1606年ごろ

   木下 順二 (訳)

   wikipedia

   ★★★




前から読んでみたかった古典を読みました。
『7人のシェイクスピア』なども始まり、私が個人的にこっそり盛り上がっているシェイクスピアです。
有名作品ですし、いろいろ驚きだったので、ネタバレありです。



◇あらすじ

舞台は11世紀のスコットランド。
武将マクベスは、魔女にそそのかされて、主人であり国王であるダンカンを殺害します。
しかし、野心は長く続きません。その後、マクベスは、同僚のマクダフに殺されてしまいます。



以上です。マクベスの苦悩が絶妙に描かれていますが、ストーリー的にはひねりも特になく、本当にこれだけです。今でこそ「え、それだけ?」と言いたくなりますが、シェイクスピア4大悲劇のラストを飾る名作なのです。

正直に言って、『シラノ・ド・ベルジュラック』以上の悲劇を期待して読んだ身としては、物足りなさを否定することができません。 自分から古典を読んでおいてその感想が「古い」というのは芸がなさすぎかと思うのですが、仕方ありません

もちろん、本作の文学的価値については些かも貶める気はありません。しかし、一読しただけでは、何が悲劇なのか正直わかりませんでした。



◇マクベスに悲劇をもたらしたものはなにか?

ということで、少し考えてみました。

マクベスの悲劇の原因は、マクベス夫人とか魔女とか色々考えられると思いますが、私の思う悲劇の原因は、彼が運命を自分で決めなかったことです。
彼がダンカン王を殺すことは、魔女の預言通り、あらかじめ決まっていたことなのかもしれません。マクベス夫人の存在もあり、状況は彼の意思に関係なく「やっちまえる」方向に流れていきます。

しかし、そこで彼は大変に悩みます。状況的には「できる」が実際にやってしまっていいものか。出世街道に乗っており、このままでも相当な地位と財産を手にすることができるのに。考え抜いた末、マクベスは、王を殺さない選択をします。

ところが、これを聞きキレたマクベス夫人にハッパをかけられると、マクベスは一瞬で心変わりします。そのシーンがこちら。

  "男としてふさわしいことなら何でもやってみせる。それ以上のことをやるのは男でも人間でもない"

こんなカッコいいセリフを言った直後に、夫人にけしかけられると、次のセリフが、
 
  "眠りこけている護衛の2人に血をなすりつけておく"

どうですか。あまりのイエスマンっぷりに、いつ決心が変わったのか分かりませんでした。というか、この人「殺る」気満々じゃないですか…

ただ、この優柔不断さが、のちに効いてきます。
王位を継いだマクベスですが、疑心暗鬼に陥り、まったく安心できない。いつ自分にも同じように反逆者が現れるとも限らない。
自分で決断して、覚悟して行動に移したなら、ひょっとしたら何かしようもあったのかも知れませんが、まったく救いようのないまま転がる石のように悲劇へすすんで進んでいきます。

このあたりはさすがにシェイクスピア。物語の作り方が大変うまいなぁと思います。



◇やっぱり、これは本当に悲劇なのか?

もう一つ注目のシーンがこちら。悲劇のラストシーンをまとめると、こうなります。

  マクベスの陰謀を知ったマクダフ "この剣にもの言わせてやる"
  王になったマクベス "かかってこい"
  この直後、場面転換。
  そして、マクダフがマクベスの首を持って登場

…いやいやいや! そこ省くんですか!? 
というか、省くなら、首持ってこないでなんとか表現してくださいよ…


おそらくシェイクスピアは本作で、マクベスの苦悩だけを描きたかったんじゃないかと思います。
だから、舞台設定とかストーリーの結末とかには、そこまでこだわりすぎることはなかったのではないでしょうか。

翻訳者解説にもありますが、本作は『ヘンリー3世』とストーリー的には同じです。それでもあえて本作を書いたからには、伝えたいものが別にあったから、なのでしょうね。

私の読んだ岩波文庫では先の翻訳者解説が大変おもしろく、作品理解に大いに役立ちました。語り口も、友人に面白い本を紹介するような雰囲気で、読みやすかったです。

別の翻訳でも多数出版されている『マクベス』ですが、1冊読んで判断を下すのは早計かと思います。少なくとも、実際の舞台演劇を1回は見なければ、理解しきれないのかも知れません。機会があれば見てみたいところです。



** 著者紹介 **
William Shakespeare(ウィリアム・シェイクスピア)
1564年4月26日(洗礼日) - 1616年4月23日。イギリス(イングランド)の劇作家、詩人。ストラトフォード・アポン・エイヴォンの生れ。エリザベス朝演劇の代表的な作家で、最も優れた英文学の作家とも言われている。その卓越した人間観察眼と内面の心理描写は、今日でも最高度の文学レベルをなしている。代表作 『ハムレット』、『マクベス』、『オセロ』、『リア王』、『ロミオとジュリエット』、『ヴェニスの商人』、『夏の夜の夢』、『ジュリアス・シーザー』など。
Wikipediaより

sing

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文学 | 23:08:50 | トラックバック(0) | コメント(0)
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