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【時代小説】『信長の棺』
最近よく言われる話に、「聖徳太子は実在しなかった」というものがあります。
あるいは、当時の急進的な政治家集団がその後「聖徳太子」として人格化されたなど、諸説乱れるところですが、真実は分かりません。

いずれにせよ議論の大きなところですが、真実がわからない分、歴史上のミステリーというのは面白いですね。
我々は今より以前については匂いすら嗅ぐことができず、過去の筆に頼るしかありませんが、歴史の記録者が真実を伝えているとも限りません。
そこに生まれた数々の伝説は、実に我々を楽しませてくれます。

今回は戦国時代、本能寺の変における謎を扱った歴史ミステリを紹介します。
消えた信長の遺骸はどこに行ったのか、秀吉はなぜ中国大返しを可能としたのか、そして桶狭間の合戦で何があったのか……。

『信長の棺』(上・下)
加藤廣著,文春文庫,2008年9月
(単行本は2005年5月に日本経済新聞社刊)
★★


信長の棺〈上〉 (文春文庫)信長の棺〈上〉 (文春文庫)
(2008/09/03)
加藤 廣

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========


1.主人公は『信長公記』の執筆者

よく知られているように、本能寺の変とは、天正10年6月2日、天下統一を目前とした織田信長が京都・本能寺に滞留中、家臣であった明智光秀の叛意を受けて殺されたというものです。
信長はこの時、焼け落ちる本能寺とともに死んだとされていますが、その遺体の行方はわかりません。
そして中国地方攻略中の羽柴秀吉は突如として毛利氏との停戦を成し、神速で京に機動、明智光秀を討ち倒します。

本書のうまいところは、このような史実における登場人物をうまく選んでいるところです。
主人公は太田牛一。信長と秀吉に仕えた、『信長公記』の執筆者。
物語のキーとなるのは、本能寺の変前夜に光秀と密会したとされる近衛前久。そして織田家の菩提寺・阿弥陀寺の住職で信長を荼毘に付したとされる清玉上人

歴史モノって、史実との矛盾や明らかなフィクションがわかるととたんに色褪せてしまうんですけれども、こういった史実の人物の史実の動きをうまく寄り合わせて描いているのは、素晴らしいところだったと思います。

本書では、本能寺の変から始まり、主にそれから15年後を舞台とし、太田牛一が秀吉、信長の執筆を行いながら、各所を歩いて「信長の遺体はどこに行ったのか」の推理を進めます。



2.等身大で描かれた戦国末期

残念だったのは、小説としてはやや稚拙というところでしょうか。
色々とよく調べてはあるんですけれども、ストーリーの流れが悪いんです。

あと致命的なのは、どんでん返しが1回も無いんですよねぇ。
そしてキーである“謎”についても、「ああそうですか」程度のもので、真新しくありません。
本能寺の変についての新解釈とか、斬新な切り口とかも特にありません。
秀吉の正体もイマイチだったし、あとそういえば桶狭間の謎も答え出してなくね??

終始一貫してその中身が謎だった、信長から預かった“箱”も、中身を見れば「ああそうですか」という感じで、全くの期待外れでした。引っ張る意味は無かったのでは……。
僕は天体望遠鏡とかだと期待してたんだけど、それは夢の持ちすぎですかね。

とは言え、戦国時代の終末期におけるその動乱を、主人公の視点でリアルタイムに眺められるのはおもしろいです。
当時の出来事や人々を等身大で描写しているのも、よく調べているところだと思いました。



3.著者はヤリ手のサラリーマン

最後に特筆すべき点といえば、著者略歴です。
著者は金融・証券・ベンチャー育成などを渡り歩いた経済のプロであり、処女作である本書が発表された時には75歳。これはすごいですよねー。
構想15年とあるので、60歳の時、定年前くらいから小説を書こうと考えたんでしょうか。
僕たちもいつか年老いても、著者のように挑戦を続けていきたいところです。



** 著者紹介 **
加藤廣(かとうひろし)1930~
東京大学法学部卒業後、金融公庫支店長、大手證券会社研究所顧問、大学講師などを歴任。コンサルタント業務なども行う傍ら、ビジネス書の執筆や講演活動を行う。
2005年に『信長の棺』で作家でビューし、他に『秀吉の伽』『明智左馬助の恋』など。


Otoya


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時代小説 | 20:38:47 | トラックバック(1) | コメント(0)
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2010-01-30 Sat 23:20:51 | タヌキおやじの日々の生活

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