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ラ・フォル・ジュルネ
【映画】 『SPACE BATTLESHIP ヤマト』
学園祭かと思いました。



SPACEヤマト
 『SPACE
 BATTLESHIP
 ヤマト』


 山崎貴監督,木村拓也主演,東宝,
 2010年12月

 ★★

 原作:『宇宙戦艦ヤマト』(1974)
 公式サイト










日本のSFアニメの先駆けである『宇宙戦艦ヤマト』が実写化されましたね!
「世界に挑む!」という意気の下、主演に木村拓也を起用し、CGで再現された戦闘シーンは迫力抜群。にもかかわらずなんでこんなチャチだったのかが不思議でなりません。

僕はヤマト世代では全くなくて、アニメ版もまともに見たことないです。主題歌とストーリーの流れを知ってるだけ。特に『宇宙戦艦ヤマト』に愛着があるということはありません。なのでニュートラルに『SPACE BATTLESHIP ヤマト』をレビューしたいと思います。


========


◎「何もかもみな懐かしい」(2時間弱ぶりの地球をみて)

いやー本当に短く感じた2時間でした。良い意味では決してなく。
原作では1年間という期間をかけて地球とイスカンダルを往復しますが、映画の枠はわずか2時間。その中に詰め込むのは大変じゃないかと思ったけど、ただダイジェストにしただけで特に工夫はされていませんでしたね。

ヤマト発進直後にいきなり波動砲を撃って、次の瞬間にはワープ。
敵の艦隊には1,2回会っただけで、ワープの連続でイスカンダル到着。
その稀に会う敵でさえも、まともに姿を確認することもなく波動砲で解決。


こうして書き出してみると、少なくとも戦闘シーンについては3分クッキング並みのテンポの良さでした。波動砲も惜しみなく撃ちまくりで、常にかめはめ波連発の悟空と言うか、弾数制限無しの霊丸と言うか・・・
かと言ってドラマに中身があるかとそうでもなく。

僕でも知ってる沖田艦長の名セリフ「地球か...なにもかもみな懐かしい。」が全然活きてなかったですね。あっおかえり~、くらいの密度でした。

原作の各シーンを大事にするのはとても良いとは思うのですが、木を見て森を見ずになっては意味がないと思います。リメイクはあくまでリメイクであって、単にダイジェストや写し直しとは違うはず。多少原作からの乖離があったとしても、「1つの作品」としての完成度を考えて大胆に作って欲しかったです。
これはちょっと世界には見せられない。。


沖田十三
  ↑沖田艦長のキャスティングだけは大正解だったかと



◎ツッコミどころ満載の学園祭劇

僕はこの映画は2部作にすべきだったのでは・・・と思います。
というのも、時間が短すぎて戦闘シーンが省かれていたことはおろか、主人公たちの心理描写も不十分すぎるんですよね。全然共感できなくて置いてけぼり。

沖田艦長は速攻でベッドに行ったので艦長らしさが伝わらず、艦長代理となったキムタクがプレッシャーを受ける様子や、彼の成長も中途半端。
あと、最初ケンカしてたはずのキムタクと森雪が仲直りする経緯とか、キムタクにとって森雪が大切になっていく過程も不明。あらららどうしちゃったの? 感がプンプンでした。

そして出演者たちの演技がとても微妙で苦笑い。
SFって架空の、それもちょっと飛躍のある設定だから、リアリティを出すことってとても大切なことだと思うんです。ちょっとでも「嘘」が目につくと、全部がわざとらしく見えてしまう。
その点、最後まで高校の学園祭のノリで演じきってくれたキャストの方々を何と評価すればよいのやら。空間騎兵隊とか、勘違いした田舎のヤンキーかと思ったよ。



◎2部作だったらできたこと

もう終わっちゃったことに何か言っても仕方ないんですが。

2部作であれば、まず最初の出撃のシーンをもっと厚く描けたのでは。火星での艦隊戦にもっと時間を使って、観客をこの世界に引き込むと同時に絶望感もしっかり伝えて、その上でヤマトを浮上させて欲しい。そうすればヤマトがいかに希望であるかをもっと示せただろうし、波動砲やワープの切り札感も演出できたはず。

何よりクルーの登場時の描写ももっとできて、後半に向けて厚みが持たせられたと思います。
2部作なら沖田艦長も長い時間現役でいて、だからこそ古代の成長の様子もじっくり描けたはずだし、森雪との関係でも観客を惹きつけることができたんじゃないでしょうか。


ヤマト戦闘
 ↑GCはよく光ってたけど、戦闘シーンもあまり中身はない


映画版では原作と設定を変えたところがあって、1つが「イスカンダルに放射能除去装置がある」というのがウソだったこと、そしてもう1つがガミラスが謎のエイリアンだということ。
原作でももちろんガミラス星人は異星人なんだけど、そういう意味ではなくて、映画では人間とはかけ離れた金属生命体のような、謎めいたクリーチャーでした。

僕はこの改変は良いと思っています。
映画という短い枠に収めるためにはガミラス側のドラマは書ききれなかっただろうし、旧作を知る人にも「ガミラスとは何者だ?」と謎を与えることができるためです。
だからこそ、2部作にしてもこうしたミステリーをもって中だるみなくストーリーを進められたはず。ガミラスの正体や沖田艦長のウソを巡ってのドラマを盛り上げられたはずなんです。もったいない。


それからラストシーンですが、ガミラス・イスカンダル星への上陸作戦はまるでB級ハリウッド映画で、とにかく叫んで銃を撃って死んで終わりの雑な感じ・・・。もっとクレバーな戦いにして欲しかったです。

これらの点を踏まえた上での2部作とすれば、もっとドラマが描けて、もっと壮大にできて、そしてラストシーンの沖田艦長のセリフも活きてきたのではないかと思うのですが。
せっかくの名作だったのに、とても惜しまれる映画化でした。

Otoya


テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

関連するタグ Otoya 【その他】 【映画】 松本零士
映画 | 00:53:34 | トラックバック(3) | コメント(0)
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