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ラ・フォル・ジュルネ
【ミステリ】 『謎解きはディナーのあとで』
「お嬢様の目は節穴でございますか?」


『謎解きはディナーの後で』
『謎解きはディナーの後で』

   東川 篤哉

   2010年9月

   小学館

   ★★★★

   公式HP









<もくじ>
 第1話 殺人現場では靴をお脱ぎください
 第2話 殺しのワインはいかがでしょう
 第3話 綺麗な薔薇には殺意がございます
 第4話 花嫁は密室の中でございます
 第5話 二股にはお気をつけください
 第6話 死者からの伝言をどうぞ



最近、恐ろしいほどのペースで売れ続けているミステリを紹介します。2/5の王様のブランチでも特集されました。



◇お嬢様ミステリ

あらすじとしては、超大企業「宝生グループ」令嬢・宝生麗子が刑事として事件に挑むものの、難事件に苦戦する。解決できずにいるところ、麗子の執事がちょっと話を聞いただけであっさり事件の真相を見抜いてしまうというもの。

ミステリとしてはごく普通です。読みやすい文体だけでなく、真相も比較的わかりやすいです。
それでも推理そのものは、一応筋の通ったものなので(多少怪しいところもありますが)、ミステリ入門には最適と言えるかもしれません。

私は、数ページ読んだ時点で、『スパイラル外伝 ~小日向くるみの挑戦~』のパクリかと思ってしまいました。
超大金持ちのお嬢様が刑事として、年上男性のマヌケ刑事と事件を解決する、という構図と、お嬢様のツッコミ的モノローグの多い文章が、まさに瓜二つ。大きな違いは、男性刑事に実力が伴っているかどうか、くらいですね。スパイラルでは鳴海清隆刑事がボケと推理を一手に引き受けていましたが、本作は、風祭刑事がボケ、影山執事が推理と分業しています。
まぁだからなんだって感じですが。

ふと思ったんですが、お嬢様とミステリって相性いいですね。



◇毒舌執事

普段は従順な執事が、(執事からみたら)あまりにも理解の遅いお嬢様に毒を吐く、本作の決めシーンはなかなか痛快です。

お嬢様が仕事を終えて豪邸に帰宅するシーンが始まるともはや謎解きタイムなので、それまでに真相の方向性だけでも見つけられなければ、執事の独壇場が始まってしまうわけです。
お嬢様は読者代表で執事に罵られるという、大変難儀なお仕事をされているわけですね。

ですが、気付いてますか?
この毒舌シーンまでに真相を見抜けなかった読者のあなた!  あなたも執事にバカにされている対象ですよwwwww

私も自力では真相はわかりませんでしたが、3話ほど読むと考え方の傾向は見えてきました。
というか、傾向が見えてしまったので、6話もそれが続くとミステリとしての面白さは若干薄れたかな、とも思いました。

個人的には、毒舌でもっと読者をイラつかせても大丈夫、というかイラつかせてほしい、とも思いますw



◇勝手に色々と予想

私の予想では、本作はこれで終わりではなくシリーズ物として続いていくと思われます。

やたら推理力のある執事の正体も明かされていないし、明らかに何かを隠している風祭刑事もボケ役に徹するだけ。
個人的には、風祭警部と影山執事は昔ライバルか何かだったんじゃないか、と思っています。ひょっとすると同一人物の可能性も無きにしも非ず、とか。少なくとも関係者なのは間違いないことなので、続編でそのあたりが明かされるとかなり面白くなるんじゃないかと思っています。
さらに予想するなら、きっと夜10時あたりの枠でドラマ化されますね。「33分探偵」的な感じで。


ミステリとしてはまぁそれなりにしっかりしているし、決めシーンもあるし、ユーモアが利いている、楽しい作品です。完全にキャラ設定の勝利という気もしますが。
今後の広がりに期待したい作品です。



** 著者紹介 **
東川 篤哉(ひがしがわ とくや)
広島県尾道市出身。岡山大学法学部卒業。ガラス壜メーカーの経理部門に勤務していたが、26歳で退社。以後8年間は月収12万円~13万円のアルバイトで生活し、「一寸先はホームレスかという生活でした」という[1]。2002年、『密室の鍵貸します』で、Kappa-One登竜門を受賞し作家デビュー。 作中にユーモアのある掛け合いや、ギャグを織り込む、ユーモアミステリ作家として活躍中。骨格としてはトリック重視の本格派であり、贅沢に多数のトリックを複合させた『交換殺人には向かない夜』などのマニアックなものから、仕掛けをサラリと決めた『もう誘拐なんてしない』まで、テイストを使い分けている。長編デビュー前には『東篤哉』として短篇数本を発表。
2010年9月発表の『謎解きはディナーのあとで』が、累計47万部[1]を売り上げるなどベストセラー作家の仲間入りを果たしている。
Wikipediaより

sing


テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

関連するタグ sing 【小説】 【推理/ミステリ】 東川篤哉
推理/ミステリ | 06:00:00 | トラックバック(1) | コメント(2)
コメント
はじめまして。「pastelノート」の水城と申します。
先日はトラックバックありがとうございました!
TB戴いた経験が数えるほどしかないので、テンパってしまいました。
本日こちらからもTBさせて戴きました。遅くなりまして申し訳ありません。

私は全然大した感想書けていないので、何だか恥ずかしいです…! Otoya singさんは本だけではなくて、映画の感想もたくさん書かれているんですね~。またじっくり拝読したいと思いますv

それでは、乱文失礼いたしました。
2011-02-19 土 16:11:55 | URL | 水城(みずき) そら [編集]
Re: タイトルなし
> 「pastelノート」水城さん

はじめまして。
コメント&TB返し、ありがとうございます。

突然TBしてテンパらせてしまったようですみません(。-_-。)
初TBのときはドキドキしますよね。私もそうでした(今でもすこしw)

よかったら、またコメントくださいませ。
2011-02-22 火 01:27:29 | URL | Otoya sing [編集]
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「謎解きはディナーの後で」「僕とおじいちゃんと魔法の塔1~3」読破。
謎解きはディナーのあとで(2010/09/02)東川 篤哉商品詳細を見る 僕とおじいちゃんと魔法の塔(1) (角川文庫)(2010/01/23)香月 日輪商品詳細を見る 以上、計4冊(「僕とおじいちゃんと~」はシリーズ3冊)読破です~。 いつものような、個人的な感想は以下。
2011-02-19 Sat 15:54:11 | pastelノート