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【経済産業】『コンセンサス標準戦略』
「私はパソコンのCPUを作る部品会社です。もっと売るにはどうたらいいでしょうか」

CPU以外の部分の値段を半額にして、でもあなたの作るCPUの価格はそのまま維持しましょう。
パソコン全体の値段が下がるので、たくさん売れるようになります。他の部分を作っている会社は儲かりませんが、あなただけは儲かります。


「新しい記録装置を考えました。たくさん売るにはどうしたらいいでしょうか」

パソコン、デジカメ、プリンタといったあらゆる装置について、あなたの記録装置以外は使えないようにしましょう。新しい記憶装置を作れるのはあなただけなので、飛ぶように売れるはずです。


そんなことが大真面目で可能になる、標準化戦略。
というわけで、よくわかる標準化シリーズ第2弾!(標準化ってなんだ? という方はこちら



『コンセンサス標準戦略』
新宅純二郎・江藤学編著,日本経済新聞出版社,2008年7月
★★★★★

コンセンサス標準戦略―事業活用のすべてコンセンサス標準戦略―事業活用のすべて
(2008/07)
新宅 純二郎江藤 学

商品詳細を見る

<目次>
1.コンセンサス標準とは
2.コンセンサス標準をめぐる競争戦略
3.コンセンサス標準を活用したビジネスモデル
4.試験・検査方法標準の戦略的活用
5.国際標準化における競争と協調の戦略
6.コンセンサス標準における知的財産の役割
7.コンセンサス形成の組織化
8.コンセンサス標準活用戦略のポイント




今回紹介するのは、標準化を利用した事業戦略の本です。
つーか事業戦略ってこんなに面白いのかよ! と目からウロコだったので五ツ星の評価です。
もちろん標準化の解説もしっかりなされていますので、標準化にそんなに詳しくない方でも楽しめます。

========


タイトルの「コンセンサス標準」というのは、言うなれば仲間を集めて規格を作るということ。
HD-DVDに勝利したブルーレイも、ソニーやパナソニックが手を組んで、仲間を作ってようやく勝利したものでした。
MicrosoftのWindowsのように、1社で標準を取れる時代はもう終わったのです。

この仲間作りを進める中で、いかに利益を獲得するかが本書の醍醐味。


例えば…
あなたが仲間を集める時、最初にたくさんの仲間を集めてはいけません。
たくさんいたのでは意見がまとまらないので、まずは仲の良い3、4人を集めます。
そうして方針を決めた後、クラスの全員を集めて話し合います。もちろんそのときには方針が決まってしまっているので、大きくは動きません。
このようにしてあなたは自分の都合の言いように、クラス全体を巻き込むことができるのです。

標準化とは技術公開のことです。
逆に相手の製品を標準化させることで、相手の手の内ばらさせ、しかしこちらの武器は明かさない。
又はこちらの手の内を明かしたかのように見せかけて、鍵となる技術は隠したまま、結局市場を支配する。

本書ではまるで変幻自在に、あらゆる戦略が述べられています。



◎具体的にはどんな本?

近年重要視されるコンセンサス標準の説明を皮切りに、複数プレイヤーがいるなかで進める標準化の戦略を述べています。

標準化を進めるリーダー企業の立場だったらどうするのか。
他の企業がすでに標準化を進めている場合に、自社はどうすればいいのか。
標準化を利用した新たなビジネスモデルとして、どのようなものが生まれているのか。
国際社会においては、どのような戦略が考えられるのか。
製品等、標準化の対象によって、戦略はどのように変化するのか。


さらに特筆すべきは事例の多さ
著者も苦労したと述べていますが、とにかくありえない量の事例が述べられています。
それもメジャーなものというよりは、最新で的確な事例が多いです。
本当は事例集にしたかったようですが、それでは本が売れないので、この形式になったとか。
僕は説明があった方がわかりやすかったので、結果的には正解だと思いますが、しかし事例が多い。
それだけでも一読の価値がある本です。


特に僕が感銘を受けたのは、以下の一説です。
「標準に特許を埋め込んで収入を得るのではなく、特許を開放することで標準を普及させ、そのことによる利益を望むべきだ」

アメリカは2003年に、「特許で国を支える」プロパテント政策から、「イノベーションで国を支える」プロイノベーション政策へと切り替えました。
プロイノベーションとは、特許を含むビジネス全体で利益を得るという意味です。
この概念化では特許はあくまで道具であり、直接の攻撃武器ではありません。

イノベーションが叫ばれる今、より広い視野でビジネスをみる標準化戦略が重要になるでしょう。



** 著者紹介 **
新宅純二郎(しんたく じゅんじろう)1958~
東京大学大学院経済学研究科准教授。
東京大学大学院経済学研究科博士課程を修了し、学習院大学経済学部助教授、東京大学大学院経済学研究科助教授を経て現職に。
主な著書に、『日本企業の競争戦略』『競争戦略のダイナミズム』『デファクトスタンダードの本質』など。
(本書より)


江藤学(えとう まなぶ)1960~
経済産業省技術環境局認証課長、経済産業研究所コンサルティングフェロー、一橋大学イノベーション研究センター教授。
大阪大学大学院基礎工学研究科を終了し、通商産業省に入省。産業技術総合研究所工業標準部長、経済産業省産業技術環境局基準認証政策化工業標準調査室長などを歴任し現職に。
本質的な部分をついて非常に分かりやすく述べるので、江藤氏の講演は聞いていて非常におもしろい。
氏曰く、「戦いを略して楽をするのが“戦略”である」




** こちらもぜひご参照ください **
標準化戦略ってなんだ?
よくわかる標準化シリーズ第1弾 ⇒『標準化戦争への理論武装』
Otoya

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

関連するタグ Otoya 【一般書】 【経済産業】 【知的財産】 【標準化】 新宅純二郎 江藤学 ★★★★★
経済産業 | 17:42:38 | トラックバック(0) | コメント(0)
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