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【時代小説】『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』
メディチ家、ダ・ヴィンチ、マキャヴェッリ――。

時代はルネッサンス。
ローマ法王となった父・アレッサンドロⅥ世の教会勢力を最大限に利用し、フランス王の援助も受けて、イタリア諸国とそして弟妹までをも操る非情の戦略家、チェーザレ・ボルジア
本書は塩野七生が最初の長編として綴った、カエサルと同じ名前を持つ男の物語です。



『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』
塩野七生著,新潮文庫,1982年9月(単行本は1970年3月)
★★★

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷
(1982/09)
塩野 七生
1970年度毎日出版文化賞受賞

商品詳細を見る



チェーザレ・ボルジア(Cesare Borgia)は、若くして枢機卿の座に昇りながらも、聖職者としての地位を捨て、権謀術数を駆使してイタリア統一を試みた人物です。
強力な後ろ盾を駆使することはもとより、政治的な手腕に長け、瞬く間にその勢力を広げます。
本書前半はこのチェーザレの快進撃が綴られており、あらゆる手段で政敵を葬るその姿に胸がすく思いです。

一方で、チェーザレは妹との近親相姦や、兄弟すらも含めた政敵・部下の暗殺・処刑により悪名が高く、彼の死後も『毒薬使いのボルジア』として名が残ります。

ザボエラ
↑後世の人がイメージしたチェーザレの姿


このようなイメージがある中で、塩野七生はチェーザレを、理想に忠実な美しい青年として書き上げます。これについては、現在モーニングで連載中の『チェーザレ-破壊の創造者』(惣領冬実)を思わせます。
というか、僕は先にこっちの連載を読んでいたので、そのイメージが先行したのかも知れませんが…。



チェーザレ
↑『チェーザレ-破壊の創造者』より、チェーザレ・ボルジア(©講談社)



本書はチェーザレの視点だけでなく、著者による俯瞰も交えて進められます。
そのため、歴史の背景や登場人物たちの「その後」についても知ることができます。
このような物語の中で、「君主論」で有名なマキャヴェッリが評した「理想的君主」としてのチェーザレを、そしてさらに述べられる「かつてある人物の中に、神がイタリアの贖罪を命じた一筋の光が射したように見えた。だが残念ながら、彼は活動の絶頂で運命から見放されてしまった」というチェーザレの没落を、見事に書き連ねています。

途中チェーザレは部下に裏切られるのですが、彼らに対して復習を遂げるチェーザレの姿はカタルシスに満ちていて、非常にワクワクして読めました。
その一方で、父である法王の死去に由来する、坂道を転げ落ちるような彼の没落は、読んでいて胸の痛む思いでした。
チェーザレは31歳の若さで夭折しており、せめて最後の戦いさえなければまた返り咲いたとも思えるのですが、その悔しさこそが歴史の重みというものでしょうか。


メディチ家の没落や、マキャヴェッリとの関わり、そしてチェーザレが建設責任者として配下に置いたレオナルド・ダヴィンチなど、ルネッサンス期の登場人物との絡みも楽しめます。

周囲との関わりという点では、塩野七生のデビュー作『ルネサンスの女たち』の4編にもチェーザレが登場し、女性から見たチェーザレの姿が描かれているそうです。
こちらも併せて読みたいですね。



大小諸国が覇権を巡り、1861年にイタリア王国として統一されるものの、第2次世界大戦では枢軸国として戦い敗戦。戦後イタリア共和国として再編される。
そんな日本と似た歴史をたどるイタリアですが、チェーザレの生きたルネッサンス期はまさに日本の戦国時代に相当します。
ローマ法王という権威を傘に、各国の統一を図る非情の男は、たとえて言うなら織田信長に近いでしょう。

ぜひ本書にて、そんな彼の生き様をお楽しみ下さい。
モーニングで連載中の『チェーザレ-破壊の創造者』(惣領冬実)も続きが楽しみです。



** 著者紹介 **
塩野七生(しおの ななみ)1937~
学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに留学。68年に執筆活動を開始し、初めての書き下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により毎日出版文化賞受賞。この年からイタリアに住む。92年よりローマ帝国興亡の1千年を描く『ローマ人の物語』に取り組む(2006年に完結)。2002年、イタリア政府より国家功労賞授与。07年文化功労者。
(本書より)



** 本書やチェーザレについて紹介しているサイト **
神聖ローマ帝国の旅
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関連するタグ Otoya 【小説】 【時代小説】 【歴史/人物】 【政治/社会】 塩野七生 【文芸書】
時代小説 | 20:13:09 | トラックバック(0) | コメント(0)
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