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【フィクション】『ライオンハート』
本当に大切なものを見落としてはいませんか?



ライオンハート (新潮文庫) 『ライオンハート』
 恩田陸著,新潮社,2004年2月

 ★★★★


 <目次>
 ・ エアハート嬢の到着
 ・ 春
 ・ イヴァンチッツェの思い出
 ・ 天球のハーモニー
 ・ 記憶








恩田陸の短編集ですが、全ての短編が1つのテーマを持って描かれています。
それは、いずれもがエドワードとエリザベスの恋の物語だと言うこと。

17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、フロリダ、20世紀のパナマ、そしてロンドンと、エドワードとエリザベスは出会います。
しかし、時間も場所もバラバラに述べられる各編の中で、エドワードとエリザベスは出会いの直前に初めて、運命に結ばれた互いの存在を知るのです。そして出会ったとき、それはまた2人の別れの時でもあるのです。


覚えていてね、わたしのことを……。時空を越えて二人は出会う。結ばれることはないけれど。 いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ……。


これだけ想っていながらも、毎回の人生において一瞬しか会うことができない。
これほど残酷なルールは無いでしょう、恩田さん。

========


◎歴史を駆ける2人

第1話「エアハート嬢の到着」では、1932年のヒトラー台頭を予見する少女が現れるところから始まります。そして1人の男性がこの少女と出会った時、2人は互いの運命に気付くのですが、それは死の直前でもありました。

色々な時代を交互に書いていますが、恩田陸の小説は歴史描写も巧みでいいですね。
そしてまた、それぞれの物語を繋ぐ小道具もよく活きていると思います。
それはモノだったり絵だったり記憶だったりするのですが、ありえない時代にそれらの小道具が登場することで、読者に推理の楽しみを与えてくれます。よくできた構成の小説です。

ミステリ的で歴史も楽しめて、各短編もそれぞれにおもしろい、それでいて壮大なラブストーリー。
恩田陸でこその物語と言えるでしょう。ぜひ読んでみてください。


さてさて、ここからはネタバレになるのでご注意を!



◎その人が運命の人にかどうかは自分次第

最終話「記憶」では、老夫婦が主人公となります。
各話とも、人生において一瞬しか会うことのできない運命の人との出会いを待ち望むわけですが、最終話でもその例にもれず「あの人」を待ち続けます。
そしてやっと会えるとなったその時に、これまで連れ添った相手が待っていた相手だったことに気がつくのです。

最初読んだ時には、単に「灯台下暗し」的なオチなんだと思ってました。
でも今考えると、これはけっこう示唆に富むラストなんじゃないかと思うんです。


2人は結婚しながらも、お互いに運命の人を待って暮らしていました。そしていざ相手が運命の人だったと気付いた時、2人はそのことに納得します。
逆に言えば、気付かなければずっと相手を本気では愛さなかったということでは?
結婚しながらも他の人(次のレベルの人)を待つというのは、浮気にも近い心境なのでは?

しかしこの物語では、運命は2人に微笑み、幸せなラストを2人に与えます。
つまり、本当に本気になるべき相手が誰であるかに気付くのです。
それが長年連れ添った相手だったと言うオチに、僕は考えさせられてしまいました。

考えたのは、運命の人はすぐ近くにいるということ。
と言うよりも、ある特定の運命の人を待ち、探すのではなく、今出会った人が時を経るにつれやがて運命の人になるというのが、本当なんじゃないかと思います。



と、プライベートで色々あって、邪推じみた解釈になってしまいました。
エドワードとエリザベスは運命で決められた2人だったので、上記のような解釈はちょっと難しいかもしれませんね。

なお、「一瞬の逢瀬を繰り返すのが運命であるから、最終話の老夫婦のどちらかはラストシーンの直後(相手が運命の人だと知った直後)に亡くなった」という推理をされている方もいて、なるほどと思いました。



** 著者紹介 **
恩田陸(おんだ りく)1964~
宮城県生まれ、早稲田大学卒。ホラー、SF、ミステリ、歴史など、既存のジャンル枠にとらわれない独自の作品世界で多くのファンを持つ。著書に『六番目の小夜子』『図書館の海』『ネジの回転』『常野物語』など多数。『夜のピクニック』は吉川英治文学新人賞と本屋大賞を受賞し、映画化もされた。



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