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【文学】『ロリータ』
ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩めにそっと歯を叩く。ロ。リー。タ。
朝、4フィート10インチの背丈で靴下を片方だけはくとロー、だたのロー。スラックス姿ならローラ。学校ではドリー。署名欄の点線上だとドロレス。しかし、私の腕の中ではいつもロリータだった。
(第1部第1章冒頭より)




『ロリータ』
ウラジミール・ナボコフ著,若島正訳,新潮社,2006年11月
(原著『LOLITA』は1955年にアメリカで出版)
★★★★

ロリータ (新潮文庫)ロリータ (新潮文庫)
(2006/10)
ウラジーミル ナボコフ

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ロリコン映画『エコール』を観てげんなりした僕に、友人が貸してくれた本です。
紛れも無いロリコン(ロリータ・コンプレックス)の語源となった著書であり、主人公である40代男性・ハンバート=ハンバートの倒錯した少女愛を描く、ミステリであり、切ない恋の物語であり、そして文学史上に輝く大著でもあります。


** あらすじ **
主人公ハンバート=ハンバートは、12歳前後の少女(彼曰く「ニンフェット」)にしか興奮できないという性癖を抱えていた。それでも正体を隠し、社会的地位にありながら少女達への想いに喘ぐハンバートだったが、あるとき運命の少女「ロリータ」との出会いを遂げる。
ハンバートはロリータを手に入れるため、未亡人である彼女の母親と結婚することでロリータに近付き、睡眠薬を懐にして完全な計画を練る。運命も手伝ってハンバートはその想いを遂げようとしたが、しかしロリータはハンバートの想像を超えていた…



というのが第1部の内容。ちなみに第2部の内容はさらにぶっとびます。
その展開がなかなかに予想を超えていて、読む人を唸らせます。

========


◎ 一言でいえば完全に性犯罪小説。でも・・・

決してポルノではありません。
巧みな文章表現で限りなくオブラートに包んでいて、直接的な表現はありません。
ただそれでも読者に興奮を抱かせるところは、著者の力量によるのでしょう。

著者はロシア人なのですが、本書原文は第2言語である英語で描かれています。
外国語でこれだけの小説を書くとか意味が分かりません。
しかし情景描写はしつこいほどに凄まじく、舞台であるアメリカを舐めるようにして書き上げます。
これについては、教養と歴史のある主人公が旧世界人(ヨーロッパ人)であり、若く自由闊達なロリータが新世界人(アメリカ人)であることから、著者のアメリカ観について色々な議論を呼んでいるようです。

使われる言葉は本当に巧みで、様々な解釈ができるように書かれています。
そのため訳者によって全然違うタッチになるので注意が必要。
外国文学はやっぱり原文で読みたいところですねー。僕には無理ですけど。

記号やアナグラムが随所に隠されており、これらの埋め込まれた言葉から推理するのも本作の醍醐味です。
本書にはこれについて解説もつけられているので、読み終わった後これらの解説を読むだけでもかなりの読み応えがあるでしょう。何度読み返しても新しい発見の得られる小説です。
そして仕掛けられた日付のトリックは現在も文学界に論争を呼んでおり、我々を唸らせます。



◎ 主人公の溢れ出る愛

ミステリ、ロードノベル、ポルノグラフティ…
様々な読み方ができるこの作品ですが、僕が涙せずにいられなかったのは、主人公ハンバートのありあまる想いです。

ハンバートのロリータへの切ない片想いと、それを成就するまでのカタルシス。
これがこの小説の最初の山となるわけですが、いかにハンバートがロリータを愛していたかは、その後の展開からもさらに強く伺えます。
ロリータを手に入れた後の2年間におけるハンバートの常軌を逸した行動は、どれだけ時を経ても色褪せない彼の愛情をそのままに表していると言えるでしょう。そしてハンバートの独白形式で書かれる本作は、恋の苦しみを実に鮮やかに描いています。

読者はそれを知るからこそ、ロリータが失踪した時のハンバートの絶望に共感できるし、彼が犯人を追い詰める時のカタルシスに快哉を叫ぶこともできるのです。

「過去は過去じゃないの。(あなたは)いいお父さんだったとは思うわ。それだけは認めてあげる」
「あたしの心をめちゃめちゃにしたのはあの人なの。あなたはあたしの人生をめちゃめちゃにしただけ」


再会し変わり果てたロリータがハンバートに突きつけたこの言葉に、常に純粋な心で接していたハンバートがどれほど打ちひしがれたことか。
本書を読み進めた人だけは、共にこの衝撃を味わうことができるでしょう。


まあ、とは言っても、完全に犯罪者なんですけどね。



文学好きの人は必読の一冊です。
映画化もされているようなのでぜひ。

『ロリータ』(スタンリー・キューブリック監督,1962年)
『ロリータ』(エイドリアン・ライン監督,1997年)


** 著者紹介 **
Vladimir Navokov(ウラジミール=ナボコフ)1899~1977
帝政ロシア時代のサンクト・ペテルブルグに生まれる。ロシア革命で祖国を離れ、亡命生活を経てアメリカに渡り、英語でも創作活動を始める。1955年発表の本作『LOLITA』が大反響を呼び、晩年はスイス・モントルーの高級ホテルで暮らした。ロシア・アメリカ文学史上に屹立する異形の大作家。他に『賜物』『青白い炎』『アーダ』など。
(本書より)



** 訳者紹介 **
若島正(わかしま ただし)1952~
京都大学大学院文学研究科教授。『乱視読者の帰還』で本格ミステリ大賞、『乱視読者の英米短編講義』で読売文学賞を受賞。主な訳書にナボコフ『透明な対象』『ディフェンス』『ナボコフ短編全集』など。
(本書より)



** 他にこの作品を紹介しているサイト **
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テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

関連するタグ Otoya 【小説】 【文学】 【推理/ミステリ】 ウラジミール・ナボコフ 【文芸書】
文学 | 00:56:18 | トラックバック(0) | コメント(0)
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