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【社会/政治】 『ゲリラの戦争学』
敵正規軍の10倍


これは、一般的に言われるゲリラ戦の想定損害です。
自衛隊の要・不要について言及するつもりはありませんが、不要と唱える人の中には「敵軍が攻めてきたらゲリラ戦で対抗すればいい!」と言う意見もあったそうです。
でも上記の数字を知るとちょっとそれは控えたいところですね。

他国の内戦などではゲリラ戦が多く用いられ、敵軍に抵抗していますが、僕はゲリラ戦についてはほとんど知りません。
ゲリラ戦とはなんぞや? ということで一冊読んでみました。



ゲリラの戦争学 (文春新書) 『ゲリラの戦争学』
 松村劭著,文春新書,2002年
 ★★★★

 <目次>
 1.持久戦の戦略的背景
 2.ゲリラ戦の原型
 3.初期のアメリカ独立戦争
 4.ナポレオンのスペイン戦役
 5.軍靴の通り道=アフガニスタン
 6.両対戦の谷間=スペイン内戦
 7.中国の内戦
 8.瀬戸際戦略と持久戦
 9.冷戦時代の覇権地図
 10.インドシナ三十年戦争
 11.朝鮮半島のゲリラ戦
 12.ソ連のアフガン戦争
 13.アメリカ同時多発テロ事件
 14.教訓と展望





========


◎パックス・ジャイアニズム

著者は国際情勢の分析に長けているのが注目すべきところ。
著者は世界を以下の3派に分類します。

  ①現状維持派 …世界の覇権を握る大国、支配国
  ②現状打破派 …覇権国を打ち破ろうとする国
  ③現状抵抗派 …覇権国に見た目上したがって入るが、快く思っていない国


歴史には、特徴的な3度の平和と発展を見ることができます。
『パックス・ロマーナ』と呼ばれる、ローマ帝国が覇権を握った0~2世紀。
『パックス・ブリタニカ』と呼ばれる、海洋国家イギリスが覇権を握った19世紀。

例えばパックス・ブリタニカで言えば、上記の①現状維持派はもちろんイギリス、②現状打破派はイギリスに対抗するフランスなど、③現状抵抗派は、嫌だけど従うしかない植民地国家と言ったところでしょうか。
そしてこれらの勢力が均衡することで、平和と呼ばれる小康状態が生まれるのです。

ドラえもんで言うと①現状維持派がジャイアン、②現状打破派がのび太、③現状抵抗派がスネ夫ですね。
まあ、のび太は完全に侵略されてるし、スネ夫も抵抗派というよりは同盟関係に近いので、複雑な関係とはいえますが…。ていうか全然平和じゃないか。

そして3つめの平和が現在、超大国アメリカによるパックス・アメリカーナです。



◎覇権国のジレンマ

リアリズムという国際関係論の考え方の1つによれば、「国家=自国の利益のために動くもの」
そこでは各国が戦争を含めた外交手段を用いて、利益と損失の衡量を行い、国際関係の平衡により平和という状態ができあがるわけです。

ただし覇権国だけはそのようにはいきません。
覇権国は「国益」を追求しながらも、「世界の平和」という相反する秩序を保たなければならないのです。
トランプの大富豪をやっていて、自分が大富豪になったら、ずっとその状態が続くようにしたいですよね? そんな感じで、覇権国は自国の利益を増やしつつも、世界を「現状維持」することに勤めるのです。
(その手段として著者は、①外交交渉と内政干渉、②価値観の普及、③経済圏へのとり込み、④軍事基地の世界展開を挙げます)

そんな覇権国を快く思わないのが現状打破派であり、現状抵抗派。
そして軍事力に劣る彼らが選ぶのが、ゲリラ戦という手段です。

ただし、ここで重要となるのが戦争はあくまで外交の一手段であるということ。
戦争の外にある国際関係や政治・文化を見ずして、ゲリラ戦を考えることはできません。
著者はそのことを強く述べています。



◎決戦と持久戦

戦争には「決戦」「持久戦」の2種類があるそうです。
「決戦」は、主力の大軍同士をぶつけ合い、相手戦力の殲滅を図るもの。
「持久戦」は、大軍のぶつかり合いを避けながら、攻撃・防御を続け、時間や情勢の経過を待つもの。

要するに、顔がパンのあの人と戦うとして、UFOで出撃して正面から叩き潰すのか、あるいは子分(カビ的なアレ達)を動員してこっそり在庫のパンを腐らせるのか、と言ったところです。

『決戦(decisive warfare)』
①勝利の獲得が戦闘の目的
②損害の多寡を顧みない
③迅速な決着を追及する

『持久戦(protracted warfare)』
 ①不敗が戦闘の目的
 ②戦力の温存を図る
 ③できるだけ戦争を長引かせる


かつての日露戦争のように、決戦を連続して勝敗を決することは現代では稀といえるでしょう。
弱者は強者に対して、決戦を避け戦争を長引かせつつ、外交やメディア戦略を用いて戦います。
戦闘行為はあくまで手段の一つに過ぎませんから、その間に目標となる条件を相手に譲歩させさえすれば、それでいいのです。

そしてそのような持久戦において用いられる戦闘手段のことを、ゲリラ戦というのです。



◎どんな本なの?

華々しい決戦はその記録が多く残されているようですが、持久戦の記録はあまりありません。
著者は古今東西の戦史の全体像を説明しつつ、本書にてゲリラ戦の要点をまとめています。

  ・ゲリラ戦を手段としての、弱者が強者に伍するための戦略とは何か。
  ・勝てないまでも、目標を達成するためにはどうすればいいのか。
  ・そしてそのようなゲリラ戦を行うための理想的な条件と手法は何か。
  ・他方、敵がゲリラ戦を展開したときのもっとも有効な対策は何か。



ニュースの報道などでゲリラ戦を聞くと、なんだか大変そうだなあと思いますが、この本を読むと、その戦闘の裏にある指導者の目論見を感じることができるでしょう。
例えば北朝鮮ですが、決して開戦することなくあそこまでゴネることに成功していると言うのは、あるいは優れた持久戦の一例と言えるのかもしれません。

興味のある方はぜひご一読ください。
ぜひ私生活にも応用したいところです。応用できる場面があっても困りますが…。



**著者紹介**
松村劭(まつむら つとむ)1934~
「デュピュイ戦略研究所」東アジア代表で、戦略・戦術研究、情報分析を専門とする。
防衛大学校卒。陸上幕僚幹部情報幕僚、作戦幕僚、防衛研究所研究員などを歴任、元陸将補。



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関連するタグ Otoya 【一般書】 【社会/政治】 松村劭
社会/政治 | 23:52:55 | トラックバック(1) | コメント(0)
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『ゲリラの戦争学』 松村劭著 文藝春秋 2002
まろまろ@旧まろまろ記時代の「はじめに」、「どんな人?」などを「まろまろ記について」に統合しました。 さて、『ゲリラの戦争学』松村劭著(文藝春秋)2002。 これまで『遊撃戦論』(毛沢東)や『ゲリラ戦争』(チェ・ゲバラ)、『人民の戦争・人民の軍隊』(グエン・ザップ)...
2009-10-01 Thu 03:18:42 | まろまろ記

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