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【フィクション】 『リアル鬼ごっこ』
『リアル鬼ごっこ』はなぜ売れたのか?



リアル鬼ごっこ (幻冬舎文庫)
 『リアル鬼ごっこ』
 山田悠介,幻冬舎文庫,2004年4月
 (初出は文芸社,2001年11月)

 ★










『リアル鬼ごっこ』をご存知でしょうか?
著者山田悠介氏が20歳ながらに自費出版にて世に公開し、発行部数100万部のベストセラーになり、映画化もされた、氏のデビュー作。

にもかかわらず、吐き気を催すようなストーリーの稚拙さプリミティブでピュアな物語性と、小学生レベルの日本語力近未来的文法・超次元的表現により、各方面から圧倒的な痛罵を浴びて注目をもって迎えられている本作品。
僕もBook Offに売って再び人の目に触れるくらいなら、八つ裂きにして焚書にする方が世のためじゃないかとためらいました。

しかし、100万部の発行と映画化という実績があるのもまた事実。
今回は下記ブログを参考に、「なぜ『リアル鬼ごっこ』が売れたのか」を考えたいと思います。


『よい子のBlog(季節フルーツ添え)』さん
 -読書感想文「リアル鬼ごっこ」山田悠介著・その1 →あらすじ(前編)とツッコミ
 -読書感想文「リアル鬼ごっこ」山田悠介著・その2 →あらすじ(後編)とツッコミ
 -読書感想文「リアル鬼ごっこ」山田悠介著・その3 →山田文学についての考察

『D.Dのたわごと』さん
 -「『リアル鬼ごっこ』山田悠介作品の素晴らしいところを分析する(1)」
 -「『リアル鬼ごっこ』山田悠介作品の素晴らしいところを分析する(2)」


========


◎まずはあらすじを

まずは、下記あらすじ(wikipedia参照)又は上記サイトさんのあらすじをご参考下さい。

西暦3000年、王様が治める人口1億人のこの国は、「佐藤」姓の人口が500万人を超えていた。
ある日、「佐藤」姓である王様は「佐藤と名乗るのは自分だけでいい」と怒り、「鬼ごっこのようなゲーム感覚で全国の佐藤を捕まえ、抹殺する」という恐るべき計画を提案。期間として定めた1週間における23時から24時までの1時間、全国に王国兵士100万人を「鬼」として配備する。
鬼は「佐藤探知ゴーグル」という特殊ゴーグルを用いて、付近の佐藤姓の人間を探索、発見し次第、追いかける。捕われた佐藤姓の人は、王国の極秘収容所に連れて行かれ、眠らさせるように殺されてしまう。

横浜市内の大学に通う大学生の佐藤翼は父との2人暮らしで、ある日、友人の持っていた号外にてこの計画の施行を知る。
翼は7歳のときに母と妹の愛と生き別れになってしまったという過去があり、本人自身「母と愛は家に翼を置いて出て行ってしまったが、きっとどこかにいる」と日々思っていた。
全国の佐藤姓は無事1週間、鬼から逃げられるのか?
(wikipediaより)



さて、そんな『リアル鬼ごっこ』の何が素晴らしいのかを分析された『D.D.のたわごと』さん。
実に肯定的な分析をされており、その中から何点かを引用させていただきたいと思います。



◎小説とは、物語が著者の想像を超えることを許容するもの

宮殿では朝食の時間を迎えており、メイド達が次々と豪華な料理を運び出していた。
それは朝食とは思えないほどの豪華さで、一般市民がこの料理を見たらこれが本当に朝食か?と目を仰天させるに違いない。これだけで一般市民との差は歴然と離れており、王様が毎日どのようにして暮らしているかはこの朝食だけでも想像がついてしまう。
なおも料理は運び込まれていく。
王様の目の前に全ての料理が出そろった。豪華で目を見張るほどの大きなテーブル。目の前には全てが金で作られているナイフやフォーク。そして、背もたれが必要以上に天井へと伸びている豪華なイス。全てが”豪華”これ以上の単語が見当たらない程、豪華であった。



以上は、『D.D.のたわごと』さんの引用された『リアル鬼ごっこ』における朝食シーン。
朝食の場面なのに食べ物についての具体的描写が全くないこのシーンに対して、次のような分析をされています。


どんなにゴージャスな料理を具体的に事細かく描写したところで読み手がそれを知らなければ、そのイメージは伝わらない。

この場面で肝心なのは,王様が贅沢な生活をしていたということ。
ここで料理の内容を具体的に説明すると、イメージを固定してしまい、読者の想像の幅を限定してしまうリスクがある
であれば、「豪華な朝食」とだけ書く、「豪華」という単語をくり返すことで、読者それぞれに自由に自分好みの最大級に豪華な朝食を想像させたほうが、イメージが無限にふくらむぶん、読者の満足度は高いと考えられる。

王様の豪華な朝食については、文章の中に書かれた文章から朝食を思い描くのではなく、「豪華」というキーワードを与えられて、読者はそれぞれ自分が持つ「豪華な朝食」のイメージを思い浮かべる



これは鋭い意見だと思いました。
そもそも小説とは、物語の再現装置として読者の想像力を借りる部分が大きく、読者の脳内補完に頼る、あるいはそれを促すというのは、ひとつのテクニックといえるでしょう。
またこれによりテンポも上がり、読者が迷わず物語を進むことができるのも確かです。



◎情景描写のミルフィーユ!

「いざ、着地してみるとそこは森の様な草むらに二人は降り立っていた」
「二人が向かった先は地元で有名なスーパーに足を踏み入れた」



これは「山田リピート」と呼ばれる著者独特の記述方式。
これについて『D.D.のたわごと』さんは以下のように解説します。


「いざ、着地してみるとそこは森の様な草むらに二人は降り立っていた」は、「着地してみるとそこは森のような草むらだった」「森の様な草むらに二人は降り立っていた」という同じ意味の2つの文章を少しずらして再度重ね合わせ、1つの文として作り上げられている

また「二人が向かった先は地元で有名なスーパーに足を踏み入れた」にしても、2つの出来事を1つの文の中で重ね合わせている多層構造。
これはまさに情景描写のミルフィーユ状態! 超高度な未来的テクニックなのかもしれない。



まさにその通りだと思います。文学的な新たな境地。
そもそも言葉とは常に変化するものであり、江戸時代の人が聞けば現代の日本語は日本語ではないでしょう。例えば「お父さん」「お母さん」という親を呼ぶための呼称も、明治政府により初めて造られたに過ぎません。

その意味で、この山田文学が未来に受け入れられる可能性は大いにあると思います。
もちろんそんな日本は嫌ですが、ただ、このような解釈は非常に面白いと思いました。



◎『リアル鬼ごっこ』はなぜ売れたのか?

他にも『D.D.のたわごと』さんは多方面から検証されているので、ぜひご一読あれ。
さすがに物語のいきあたりばったりで矛盾だらけの進行は小説としてどうかと思いますがね。
もっとも、誤字脱字を含めたこういった矛盾は、著者ももちろんですが、出版社も責められるべきだと思います。買う人はちゃんとお金払ってるんだから。


さて、『リアル鬼ごっこ』はなぜ売れたのか。
僕はストーリーのシンプルさに理由があると思います。

どんなに高尚であっても、わかりにくければ意味はありません。
昔話でも、名曲でも、プレゼンテーションでも、テレビのリモコンでも、コミュニケーションでも、受け入れられるのはシンプルでわかりやすいもの
人に受け入れられるのがどれだけ大変かはビジネスをすれば身に沁みますが、逆に言えば、人に受け入れられるだけシンプルに物事を考えられるというのは、高度な才能だと思うのです。

「7日間生き残れば勝ち」という誰でも一発でわかるルールと、「共に逃げる」というドラマ性。
その中に著者ならではの情景描写が絡むことで、『リアル鬼ごっこ』という素晴らしい作品が生まれたのだと思います。
誤字脱字や文法の誤りは些細な問題に過ぎません。


ただ苦言を言うならば、ピカソのように、高度(あるいは常識的)な技術に裏付けられたシンプルさではなく、ただ単純に稚拙というのが惜しいところ。
今後の成長に期待です。



** 著者紹介 **
山田悠介(やまだ ゆうすけ)1981~
高校卒業後にアルバイトをしながら小説の執筆を始め、2001年に『リアル鬼ごっこ』で文芸社よりデビューし、若者の圧倒的な支持を得る。2003年には『@ベイビーメール』『あそこの席』を立て続けに刊行し、デビュー作同様の評価を受けその地位を固める。
その後、活躍の場を他社にも広げ、2003年には『親指探し』(幻冬舎)、2004年には『パズル』(角川書店)を刊行。映画、ドラマ、舞台、コミックなどメディアミックスも進む。2007年には文芸社単行本の売り上げ累計が100万部を突破。作品ジャンル、ファン層ともその幅を広げ、さらなる進化を続けている。
(文芸社HPより)



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テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

関連するタグ Otoya 【小説】 【フィクション】 【メディア】 山田悠介 【文芸書】
フィクション | 17:55:07 | トラックバック(0) | コメント(0)
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