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【文学】 『海の短篇集』
“海”はただ、そこにあるだけで。


 『海の短篇集』

  原田宗典

  平成9年2月

  角川文庫


  ★★★★





<目次>
 取り憑く島  何を入れる箱  願いをひとつ  黒魔術  成長する石
 デジャヴの村  岬にいた少女  夕陽に間に合えば  人の魚
 中には何が  贋のビーチ  美しすぎる風景




本書は、TOKYO FM『ジェット・ストリーム』で曲の合間に流していたショートショートを短篇にまとめたもの。
舞台は日本ではないどこかの国の海。

怪しげな商人や、いかにもな魔術師が登場して主人公を困惑させます。
ホラーでもミステリーでもなく、“不可思議な話”が12篇収録されています。



◇海に身をまかせ

背景は何かよくわからないけれど大きな流れに身を任せざるをえないふわふわした状況、
永遠の繰り返しを想像させるぞっとする結末、
これらは(私は思う)短篇の醍醐味であり、本作はこれを十分に味わうことのできる作品です。

読み終わった後、この不思議な雰囲気は(デジャヴほどではないにしても)
どこかで似た感覚を受けたことがある、と思い、しばらく考えていました。
それで気付いたのが、海に行ったときの雰囲気そのものだな、ということ。しかも夜の海です。

釣り針にかかった魚のように物語にどんどん引き込まれ、
打ち寄せる波のようにいつまでも見ていたいような空恐ろしいような、
よくわからない大きなものに包まれる感じ。

私の語彙力では全く伝えられていると思えないのですが、短篇の一つ一つではなく、
それらが集まった作品全体で海を表現しているように感じました。

もしこれが意図したものなら、著者はまさに“海の短篇集”を作り上げることに成功しており、
実際、それはかなりスゴいことなんじゃないかと思うわけです。



◇海はどこへ行った?

しかしまだ何か違和感が残りました。
そこで、いくつかの篇を読み返して、改めて気付くことがありました。

『海の短篇集』なのに、“不思議なもの”が海そのものであるストーリーが無いではありませんか。

どれも石や崖や箱が主役。(意味わからない人、読めば分かります)
海は、それら全てを飲み込んで、ただそこにあるだけ

不思議なものの説明をしてくれる地元民なんかも独特の雰囲気を持っていますが、
それは不思議なものがそういうものだと受け入れているから、というだけのように思いました。
ひょっとしたら、本当は主人公達のような旅行者に同じような体験をさせ、
何かを変えてくれる人が現われるのを待っているのかもしれません。
そして、やはり何も変わらないことを確認し、失望し、
それを繰り返して生きているのではないでしょうか。
なんてことを考えてしまいました。



結局は、不思議な物は全て海にありますが、、なぜ海がそこにあるかはわからない
文庫サイズの海に浮かぶ不可思議な物語に飲み込まれる感覚は、少し怖いような、
どこか懐かしいような、幻想的な体験でした。


** 著者紹介 **
原田 宗典(はらだ むねのり)
1959年3月25日、東京都新宿区新大久保、および岡山県岡山市出身。小説、エッセイ、戯曲、漫画原作など、幅広い分野で執筆活動を行う。文体は独特の雰囲気をもつが、これは天性か来歴によるものか。『鼻の下研究所』所長、『全日本焚火連盟』会員、『芸術を語る会』会員、『王様鑑賞友の会』会員。代表作『劇場の神様』、『優しくって少し ばか』、『平成トム・ソーヤー』(井田ヒロト『戦線スパイクヒルズ』の原作)、『し』など。
公式HP:はらだしき村


** この本を紹介しているサイトさん **
・「鳴海昇平の執筆日記」さん

sing

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

関連するタグ sing 【小説】 【文学】 【ファンタジー】 原田宗典 【文芸書】
文学 | 20:44:22 | トラックバック(0) | コメント(0)
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